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瀬戸大也も感じていた“惨敗”競泳日本への危機感「選手がコーチの経験を超えて…」 #専門家のまとめ

金明昱スポーツライター
瀬戸大也はパリ五輪でメダル獲得とはならなかったが「後悔はない」と笑顔(写真:松尾/アフロスポーツ)

パリ五輪の競泳で日本勢のメダルは、男子400メートル個人メドレーの松下知之の銀メダル1つだけだった。各社の報道の見出しには“惨敗”、“不振”といった表現が並ぶ。すでに1年前から選手たちやコーチは“危機感”を口にしていたが、まさにそれが的中した形だ。不振の原因と4年後のロサンゼルス五輪に向けた課題とは?

ココがポイント

▼パリ五輪で競泳日本のメダルは400メートル個人メドレーの松下知之の銀1つ。梅原孝之競泳委員長「強化事業の中身を考えないと」

「競泳ニッポン」惨敗、パリ五輪のメダルわずか1つ 戦う意識とチーム力の低下が顕著に(産経新聞)

▼日本水泳連盟が現地の状況を事前に把握しきれず、対応が後手になったことも選手のパフォーマンスに影響を及ぼしたのではないかと指摘

日本水連のアンテナの低さ 把握したのは開幕直前、現地入り後…競泳、ASの無策さには課題が(スポーツニッポン)

▼1年前から元日本代表ヘッドコーチの平井伯昌氏は日本水連と選手とのコミュニケーション不足、チームマネジメント面の問題を指摘

競泳ニッポン“内紛”騒動、発端は「選手への高圧的な声かけ」だった…代表コーチを電撃辞退、平井伯昌が明かす真相(Number Web)

▼瀬戸大也がパリ五輪前の単独インタビューで、競泳ニッポンの不振の原因について言及。「話し合っていかなければならない」

《瀬戸大也・競泳日本代表インタビュー》あのときすべてを失い、 水泳だけが僕にこびりついていた(FRIDAYデジタル)

▼パリ五輪の競泳日本代表が帰国後、平井コーチは成績不振の要因を「リーダーシップの欠如」と分析。「これは批判ではない」とも

平井伯昌コーチ 競泳ニッポン不振の原因は「リーダーシップの欠如。HCのないチームは聞いたことがない」(スポーツニッポン)

エキスパートの補足・見解

 1年前に瀬戸大也に単独インタビューしたとき、近年の競泳日本の成績が振るわないことについて聞いた時は、多くを語らなかったが、日本水泳連盟と選手との間に大きな溝ができているとの認識があったのは確かだった。

 平井コーチの話では代表にヘッドコーチが常設されていないことへの違和感が大きいようだ。パリ五輪ではメダル1つに終わったが、ただ嘆くばかりでは前に進めない。すでに4年後のロサンゼルス五輪に向けた戦いは始まっている。訪れる試練をどう克服するか。連盟、選手、コーチがコミュニケーションを密接に取る過程で、チームを率いる新たなリーダーの登場が待たれる。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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