価格と美味しさハカリにかければ…男女で異なる「仕事の後の一杯」の場所選び
月に2回強の「仕事の後の一杯」
心身の疲れをいやす息抜き、さらには趣味趣向、同僚・部下・上司とのコミュニケーションの機会など、さまざまな理由から、仕事を終えた後の「飲み」は、会社勤めの人には欠かせない生活様式の一つに他ならない。最近では各種メディアでその姿が伝えられるに及び、一人で静かに飲み食いを行う「一人飯」が「カッコイイスタイル」として認知され、一般化しつつある。今回はサラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」から、会社員達の就業後における「仕事の後の一杯」事情をのぞいてみることにする。
次に示すのは月平均何回ぐらい「仕事の後の飲み」に行くのかを尋ねた結果。年度初め、年末などは足を運ぶ回数は増え、夏も暑さをしのぐために通う事例もあり、冬は鍋で暖を取るのも兼ねて……と理由を重ねていくと、一年中通う機会が増えるが、ともあれ平均的な回数は男性2.4回、女性で2.1回という結果が出ている。
男性の世代別では40代が多めの2.8回。中間管理職的な立場にいることが多い世代であり、部下や上司との意志疎通も兼ねた機会で飲んでいるものと考えられる。また女性の2.1回は、例えば部署単位で男女を問わず、あるいは女性だけの「女子会」的なものも合わせてのものであることを考えると、いくぶん少なめかもしれない。
飲みの店選び、ポイントは「安・旨・近」
それではそれらの「仕事の後の一杯」の場となるお店は、どのような基準で選んでいるのだろうか。
男女では上位3位のラインアップは変わりがないが、順位が大きな違いが出ている。男性はまず「価格が安い、手頃」であり、次いで「料理が美味しい」、そして「場所が近い、便利」。いわば「安・旨・近」。ところが女性は「料理が美味しい」がトップ項目につき、次いで「価格が安い、手頃」。さらに「場所が近い、便利」と「お店の雰囲気が良い」が同列に並んでいる。女性は「旨・安・近」さらに「良雰囲気」。男性が実務的、効率的な点を重視する一方、女性は雰囲気や食事までをも含め、全体的な雰囲気を楽しもうとしているようだ。
続いてこれを世代別に見たのが次のグラフ。
男性では概して「価格が安い、手頃」が高い優先順位についていたが、50代になると、「料理が美味しい」の回答値が61.7%と高値を付け、「価格が安い、手頃」とほぼ変わらなくなる。お財布事情にも余裕が出来、健康面の上でも美味しいものを欲する願望が強まるようだ。ただしそれでもなお、女性の美味しいものへのあくなき探究心にはかなわないのが現状ではある。
女性の料理へのこだわりは昼食にも
「仕事の後の一杯」からはやや外れるが、料理に関する女性のこだわりはお昼時の食事でも表れている。
昼食でも「料理が美味しい」の項目は女性の方が上。一方で「量が多い」は男性の方が高く、「質の女性」「量の男性」という構図が見えてくる。
また一方で、「場所が近い、便利」「オーダー、料理が早い」でも女性の方が回答率は高い。女性は昼食には男性以上に色々とこだわりを示すようである。
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