【原宿・穏田神社】節分に豆をまかず「自分の心の鬼」に向き合うメンタル豆まき
節分の日に原宿の「穏田神社」を参拝。キャットストリートの奥にある穏田神社のある一帯は、江戸時代に葛飾北斎が「富嶽三十六景」でも描いたのどかな田園。社殿は1945年の東京大空襲で焼失したけれど、1998年に現在の社殿が完成。今も昔も原宿界隈の人々に愛されています。
穏田神社の宮司を務める船田陸子さんは、コロナ禍の節分に豆を鬼に向かってぶつける従来の賑やかな節分ではなく、「心の中にいる退治したい“鬼”」と「招き入れたい“福”」を豆の形をした紙に書いて特設掲示板に貼る サイレントな節分企画を提案。
特設掲示板の前に用意された豆の形をした紙には誰でも自由に書き込むことができ(無料)、私もありがたく書かせていただきました。
掲示板の「鬼」にも「福」にも、思い思いの豆紙がびっしり。多くの人の中に「退治したい心の鬼」や「招き入れたい福」がそれだけたくさんあるということですね。
「心の中の退治したい鬼」をこそっと見てみると・・・
こうした「心の鬼」を言葉にして書き出すことは、自分自身を見つめ直し、負の感情を自覚して手放す心のワークになるのではないかと思います。節分に豆をまくことは一種のストレス解消に役立つかもしれないけれど、この豆紙にはもっと奥深いものがあるように感じました。あるいみ、メンタルに効くメンタル節分ともいえるかもしれません。
「退治したい心の鬼」に対して、宮司さんからの温かな手書きのコメントも。
一方、こちらは「招き入れたい福」の豆紙。
穏田神社の御祭神は整った容姿の男神「淤母陀琉神(おもだるのかみ)」と畏れ多い女神の「阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)」。そのため、美容や技芸上達、夫婦円満、万物創造の神として信仰されています。さらに、御殿神はヤマタノオロチを退治した須佐之男命(すさのおのみこと)こと、縁結びの神「櫛御食野神(くしみけぬのかみ)」。穏田神社が「美と縁結びの神びの神社」といわれるゆえんですね。
境内の一角には戦後に社殿の再建に尽力した氏子・河野タカ女史に寄進された末社 稲荷神社も。
社務所で販売されているアイテムも必見。「技芸上達 美容守護」「縁むすび」の絵馬が人気なのも穏田神社ならでは
もうひとつ注目なのは、グラフィックデザイナーの北川一成さんがデザインしたかわいらしくも尊い神々アイテム。
複数の御神体をキャラクター化しつつ、いわゆるゆるキャラに堕さないデザインセンスはさすが。私は願いごとを書ける御神体デザインの「coNEGAI」(1枚500円税込)を購入。右は美しい男神オモダルノカミと女神アヤカシコネノカミの男女神。通称「たるくん、かしこちゃん」。左は稲荷神社の2匹の狐キャラ「こんこんむすび」。これにお願いごとをしたためて、スマホに貼ったりお財布に入れて キュートな神々のご利益にあやかりたいと思います。
境内にはイチョウやケヤキの大木が多く、じっと春を待ちわびていました。本殿の左右にある梅の木も、静かに芽を膨らませていました。節分を過ぎると、春はもうすぐそこ。
原宿でほっとひと息つきたい時、ぜひ穏田神社を尋ねてみてください。境内の梅が満開の隠田神社もたのしみですね。
穏田神社
東京都渋谷区神宮前5-26-6
TEL : 03-3407-703