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カーショウは今オフにドジャースを去り、来シーズンはレンジャーズで投げるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 13, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)は、他の球団に在籍したことがない。2006年のドラフトで、ドジャースから全体7位指名を受けて入団。その後、延長契約を3度交わし、昨シーズンが終わるまでは、FAになったこともなかった。昨オフ、初めてFA市場に出たカーショウは、3月に1年1700万ドルの契約でドジャースへ戻った。

 現在の年齢は34歳だ。来年3月に誕生日を迎える。今のところは、引退するよりも、投げ続ける気持ちのほうが強いようだ。ロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデスによると、最近、カーショウはそう語ったという。

 ここ2年とも、カーショウは、故障者リストに2度ずつ入っている。昨シーズンは、7月から2ヵ月以上にわたって離脱し、一度は復帰したものの、ポストシーズンで投げることはできなかった。今シーズンは、2度とも、復帰まで1ヵ月かかっている。一方、昨シーズンは、121.2イニングを投げ、防御率3.55を記録した。今シーズンは、109.1イニングで防御率2.39だ。予定どおりなら、レギュラーシーズンが終わる前に、あと2度、マウンドに上がる。

 故障が多いとはいえ、まだ十分に通用する。おそらく、ドジャースは再契約を申し出るだろう。

 カーショウが別の球団と契約を交わすとすれば、昨オフも噂が出ていたとおり、テキサス・レンジャーズ以外は考えにくい。カーショウは、レンジャーズが本拠を構える、アーリントンの近くで生まれ育った。そして、カーショウの家族は、そこに住んでいる。ドジャースからレンジャーズへ移れば、カーショウがシーズン中に家族と過ごす時間は増える。

 昨オフ、レンジャーズは大枚を費やし、コリー・シーガーマーカス・シミエンを迎え入れた。それぞれの契約は、10年3億2500万ドル(2022~31年)と7年1億7500万ドル(2022~28年)なので、合わせて5億ドルの併殺デュオだ。けれども、今シーズン、レンジャーズはポストシーズンに進めなかった。クリス・ウッドワード監督と編成責任者のジョン・ダニエルズは、8月に相次いで解雇された。

 レンジャーズの665得点はリーグ5位ながら、防御率4.21はリーグ・ワースト4位だ。先発防御率4.65は、リーグで2番目に高い。1年400万ドルで入団したマーティン・ペレスは、31歳にしてブレイクし、183.1イニングで防御率2.90を記録しているが、今オフに再びFAとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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