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「日本人投手から打った本塁打」の通算ランキング。2位はプーホルス。6位タイは日本プロ野球でもプレー

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(左)とコール・カルフーン Aug 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本人投手がメジャーリーグで打たれたホームランは、1964年10月4日の村上雅則から2021年9月26日の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)まで、計2103本を数える。

 その1本目を打ったジミー・スチュワートは、通算10シーズンで8本塁打のユーティリティ・プレーヤーだった。直近の2103本目は、ジャレッド・ケルニック(シアトル・マリナーズ)が記録した。昨年5月にメジャーデビューしたケルニックにとっては、14本目のホームランだ(「マリナーズの新時代が始まる。投打のプロスペクトが同じ試合でデビュー。ともに3年前のドラフト1巡目」)。スチュワートもケルニックも、日本人投手が相手のホームランは、これ以外にない。

 日本人投手から打ったホームランが多い20人は、以下のとおり。15本塁打のアレックス・ロドリゲスは、人数も最も多く、10人から記録している。田澤純一桑田真澄は、どちらも、メジャーリーグで最初のホームランをロドリゲスに打たれた。田澤の1本目は、サヨナラ本塁打だった。

筆者作成
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 11本塁打のアンドルー・ジョーンズは、2013~14年に日本プロ野球でもプレーした。ちなみに、東北楽天ゴールデンイーグルスでは、50本塁打中42本を日本人投手から打った。

 この20人のなかには、カリフォルニア/アナハイム/ロサンゼルス・エンジェルスで長くプレーした選手が5人いる。14本塁打のアルバート・プーホルス、10本塁打のティム・サーモン、各9本塁打のトロイ・グロスマイク・トラウトコール・カルフーン(現テキサス・レンジャーズ)がそうだ。

 サーモンとトラウトの2人は、エンジェルス一筋。現役選手のトラウトは、これから移籍する可能性もあるが、エンジェルスと交わしている12年4億2650万ドルの契約は、2030年まで続く。グロスとカルフーンも、ドラフトでエンジェルスに指名され、それぞれ、メジャーデビューから数えて、7シーズンと8シーズンを過ごした。プーホルスは、2011年のオフにセントルイス・カーディナルスからFAになり、10年2億4000万ドルでエンジェルスへ。昨年5月まで在籍した。

 プーホルスが日本人投手から打ったホームランは、カーディナルス時代とエンジェルス時代が7本ずつ。グロスは、9本中5本がエンジェルスを去った後だ。カルフーンは、9本ともエンジェルス時代に記録している。

 また、プーホルスは、5人の日本人投手、大家友和ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、石井一久黒田博樹岩隈久志から、いずれも2本以上のホームランを打っている。この人数は最多。それよりも1人少ない、4人の日本人投手からそれぞれ複数のホームランは、ロドリゲス、9本塁打のジェロミー・バーニッツ、カルフーンが記録している。バリー・ボンズエイドリアン・ベルトレーら、日本人投手から8本塁打の7人に、該当する選手はいない。

 今オフ、カルフーンは、2シーズンを過ごしたアリゾナ・ダイヤモンドバックスに年俸900万ドルの球団オプションを破棄され(解約金は200万ドル)、レンジャーズと1年520万ドルの契約を交わした(2023年は年俸550万ドルの球団オプション。解約金はなし)。レンジャーズとエンジェルスはどちらもア・リーグ西地区のチームなので、カルフーンは、投手・大谷と対戦する機会もありそうだ。2人は、まだ対戦したことがない。

 なお、13本塁打のエバン・ロンゴリア(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、ポストシーズンでも、松坂大輔上原浩治からホームランを打っている。それらを含めると、合計の本数はロドリゲスに並び、複数のホームランを記録した相手の人数も、プーホルスと同じ5人となる。

 1人の日本人投手から打ったホームランは、5本が最も多い。ビニー・キャスティーヤは日本人投手からの11本塁打中5本が野茂英雄、ジョーンズは11本塁打中5本が大家、ジェフ・バグウェルは9本塁打中5本が野茂だ。7本塁打のマイク・リーバーサルも、野茂を相手に5本のホームランを打っている。あとの2本は石井からだ。

 日本人選手が多くのホームランを打った相手については、こちらで書いた。

「日本人選手にホームランを打たれた投手たち。松井秀喜、イチロー、大谷翔平の3人に本塁打を喫したのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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