Yahoo!ニュース

ウクライナ"手作り神風ドローン"「最前線では1週間に100機必要」仏メディア報道

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年6月にフランスのメディアFRANCE24がウクライナで神風ドローンを製造してトレーニングもしている施設を報じていた。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。小型の民生品ドローンに爆弾を搭載して標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンをウクライナ軍もロシア軍も多く使用している。

動画の中でウクライナのボランティアの青年が作っている神風ドローンも小型民生品ドローンに爆弾を搭載しているだけで、1時間程度で製造できる。部品や小型民生品ドローンは常に不足している。ウクライナ政府は神風ドローンを大量に調達するために世界中に寄付金の支援を呼びかけており、多くのドローンと爆弾を調達している。また最前線では1つの現場で1週間に100機の神風ドローンが必要だと伝えている。神風ドローンは標的に突っ込んでいき爆発するので1回使用したらもう終わりで再利用ができない。

報道によると、ここでは神風ドローンの操縦のトレーニングは2週間程度行われている。VRのヘッドセットを装着したり、ビデオゲームのような画面を見てトレーニングしている。ウクライナ兵は神風ドローンが突っ込んでいき爆発するシーンをFPV(ファースト・パーソン・ビュー)で撮影することも多い。FPVはドローンに搭載されたカメラからの風景が操縦者に見える。FPVで撮影された標的に突っ込んでいく攻撃シーンの動画は頻繁に公開されており、欧米やウクライナのメディアでも放送されている。

▼神風ドローンを作ったりトレーニングしている様子を伝えるフランスのメディア

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事