ハンガリー トルコの軍事ドローンの試験飛行実施
ハンガリー軍がトルコの軍事ドローンを使って試験飛行を実施していたと2021年11月に地元メディアのマジャール・ネムゼットが報じていた。
ハンガリー軍が空軍基地で試験飛行していたのはトルコの軍事企業Vestel Defenseが開発した「KARAYEL-SU」という軍事ドローン。ハンガリー軍は2018年から軍事ドローンを空軍の重要な戦略の1つと位置付けている。軍事ドローン「KARAYEL-SU」は自律での離陸と着陸も可能。
実戦での実績も豊富なトルコの軍事ドローン
トルコは世界的にも軍事ドローンの開発技術が進んでいる。トルコのエルドアン大統領も積極的に海外に自国の軍事ドローンを輸出しようとしている。そして多くの紛争でトルコの軍事企業が開発した攻撃ドローンが使用されている。アゼルバイジャンやウクライナ、カタールにも提供している。2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノ・カラバフをめぐる軍事衝突でもトルコの攻撃ドローンが紛争に活用されてアゼルバイジャンが優位に立つことに貢献した。
また2020年3月にリビアでの戦闘で、トルコ製の攻撃ドローンKargu-2などの攻撃ドローンが兵士を追跡して攻撃を行った可能性があると、国連の安全保障理事会の専門家パネルが2021年3月に報告書を発表していた。兵士が死亡したかどうかは明らかにされていない。神風ドローンのオペレーションは人間の軍人が遠隔地で操作をして行うので、攻撃には人間の判断が入る。攻撃に際して人間の判断が入らないでAI(人工知能)を搭載した兵器自身が標的を判断して攻撃を行うものは自律型殺傷兵器(Lethal Autonomous Weapon Systems:LAWS)と呼ばれている。実際の紛争で自律型殺傷兵器で攻撃を行ったのは初めてのケースであると英国のメディアのインディペンデントは報じていた。
攻撃ドローンは「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンが「神風」を名乗るのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。
「神風ドローン」の大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。ドローンはコストも高くないので、大国でなくとも購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人が傷つくリスクは低減されるので有益である。