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ウクライナ軍、急降下爆撃機にちなんだ「シュトゥーカ・ドローン」から榴散弾投下をテスト

佐藤仁学術研究員・著述家
ウクライナ軍がテストしている榴散弾(UkraineNewsLiveより)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。

特に爆弾を搭載したドローンごと標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンが両軍によって多く使用されている。ロシア軍はイラン製軍事ドローン「シャハド」やロシア製の「Lancet」といった神風ドローンを使用してウクライナ軍を攻撃している。ウクライナ軍では欧米諸国から供給された軍事ドローンや、ウクライナ製の神風ドローン、小型民生品ドローンに爆弾を搭載した手作りの神風ドローンでロシア軍の標的を爆発させている。また民生品ドローンに爆弾を搭載して敵軍の上空から爆弾を投下して爆発させている。

そんななか、ウクライナ軍では榴散弾を搭載したドローンを開発。上空から榴散弾を投下して爆発させる試験を行って動画を公開していた。榴散弾は砲弾の中に多数の散弾が詰まっており、標的の手前の上空で弾丸を炸裂して標的を破壊する。

ドローンが地上の標的近くまで急降下で飛行してきて、榴散弾を投下している。動画を見てもかなりの威力があるのがうかがえる。ドローンが上空から勢いよく急降下していくことから、第二次大戦時にドイツ軍などによって使用されていた急降下爆撃機「Ju87」の愛称だったシュトゥーカ (Stuka)にちなんで「シュトゥーカ・ドローン」と呼ばれている。

▼ウクライナ軍の「シュトゥーカ・ドローン」による榴散弾のテスト

▼急降下爆撃機「Ju87」シュトゥーカ (Stuka)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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