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40代からの健康習慣。風呂前、腕立て10回を3ヶ月続けてみた。その結果、私に起こったこととは

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■40代は、若々しさと老化の分かれ道

40代になり、高校時代や大学時代の同級生に会うと「学生の頃と全然変わらないね!」という人もいれば「あれれ?随分、変わっちゃったね」という人もいる。

人は実年齢では測れない。大切なのは、体内年齢だ。同じ年齢でも、体内年齢が若い人もいれば、実年齢よりも老けている人もいる。言うまでもなく、カップラーメンやエナジードリンクを飲んで、運動もせず、動画サービスをみて睡眠時間が少なければ、体内年齢は必要以上に劣化していく。それに加えて、加齢が襲いかかってくる。20才から21才は、なんの変化も感じなかった。しかし、45才から46才は下りのスピードが一気に加速する感覚に襲われる。

生活習慣を整えることに加え、どうせならこの加齢のスピードをゆるやかにしたい。願わくば、体内年齢が実年齢よりも若い状態をキープしつつ、人生の折り返し地点を迎えたい。そう願うのは私だけだろうか。様々なアプローチがあるが、お金も時間もかからなく、リターンが大きい腕立て伏せをご紹介したい。

■腕立て伏せがもたらすもの

腕立て伏せをすることで、何が得られるのだろうか。想像できることとしては、男性であれば、胸筋や二の腕が太くなりスーツをキレイに着ることができる。女性であれば、胸や二の腕のたるみを抑え20年前のような子鹿のようなシルエットが手に入るようになる。

しかし、腕立て伏せのメリットはこれだけではない。米国医師会雑誌JAMAに掲載された論文(Association Between Push-up Exercise Capacity and Future Cardiovascular Events Among Active Adult Men)では腕立て伏せの回数に比例して、心臓血管疾患のリスクを下げられることが報告されている。

心臓血管病とは、心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓突然死などだ。40代で心臓病なんて関係ないだろ!と思って読むのをやめようと思ったあなた、ちょっと待って欲しい。私は、10年間介護・看護サービスの仕事をして何千人という高齢者の死に立ち会ってきた。多くの死因の原因は、心臓や血管トラブルが原因だ。そしてそれは、突然訪れたものではなく、長年の生活習慣によるものなのだ。人生100年時代の折り返し地点において無視できないのが心臓血管疾患のリスク低減なのだ。

この研究の結果分かったことは、腕立て伏せの回数が多いほど、心臓血管のリスクが減るということ。具体的には10回以下の人と比べ11~20回の人の方が64%、21~30回の人の方が84%、31~40回の人の方が75%、41回以上できた人は、10回以下しかできなかった人に比べ96%も低下。この研究結果のポイントは、腕立て伏せの能力が高い方がより心臓病の発症リスクが低いことを示しているので、少しでも多くできれば心臓病にはなりにくいということ。

■腕立て伏せを習慣にする3ステップ

では、張り切って毎日40回を超える腕立て伏せをやれるか、というと、そんなの無理に決まっている。しかもマッチョになりたいわけじゃない。しかも私は、筋肉痛が嫌いだ。筋肉痛になると翌日、朝起きるのがきついし、日中の仕事のパフォーマンスが下がる。しかも3日坊主になると、自己肯定感もさがってしまう。挫折を知らない20代ではない。自分のことはよくわかっている。あちこちにガタが来ている40代(しかも後半)のおじさんの体だ。あえてバカラのグラスを扱うように繊細に取り扱いたい。

そこで、「腕立て伏せを習慣化するために」はじめたのが、風呂に入る前の腕立て伏せ10回プロジェクト。「風呂に入る前」と決めることで、実行する時間が明確になるし、多少汗ばんだとしてもさっと汗を流せると考えたからだ。

そして、腕立て伏せを習慣化するには、次の3ステップを踏んだ。

1)「壁」腕立て伏せを10回

一般的な腕立て伏せをまずは10回から始めようとしたが、なぜか、続かなかった。それこそ、10回ですら三日坊主で終わってしまった。振り返ってみると、腕立て伏せが辛いというよりも、「床に手をつく」という行為自体を長くやっていなかったので、それ自体がハードルが高かったように思う。そこで、「壁腕立て伏せ」から始めることにした。

やり方は簡単。壁に手をついて立ったまま腕立てをするのだ。これは、家でもできるし、オフィスでもできる。負荷も軽いので筋肉痛にはならない。しかも続く。まずは、どんな形であれ、「腕立て伏せを10回続ける」ことが習慣になった。

しかも、たった10回ではあるが1ヶ月ほどすると、二の腕が引き締まり、肩こりが激減した。新しい習慣を取り入れることで体の調子が良くなるのを実感できるのは次のモチベーションにつながる。

2)「椅子」腕立て伏せを10回

初めの1ヶ月で壁腕立て伏せ10回が習慣になったところで、2ヶ月目に次のフェーズに移行した。少し、負荷を上げたのだ。具体的には、壁と床の中間地点。椅子の角に手をついて腕立て伏せを10回。実際にやってみると、筋肉貯金が貯まっていて、「椅子」腕立て伏せでも意外とラクにこなせるはずだ。しかし、壁に比べると、負荷がグンと上がる。腹筋への負荷も強く感じるはずだ。

椅子以外でも、ソファーの肘掛けでも、テーブルでも、公園のベンチでもなんでもいい。ここで大切なことは、「意外といける!もっと負荷をあげよう!」と無理をしないことだ。床はまだ早い。

新しい習慣は丁寧に育てたほうがよいのだ。

3)「床」腕立て伏せを10回

そして、3ヶ月目。とうとう、床腕立て伏せだ。壁から90度落差があるわけだから当然、負荷もあがる。しかし、「壁」腕立て伏せ、「テーブル」腕立て伏せを経て、「床」腕立て伏せをすると、意外と10回は軽々クリアできた。特に、筋肉痛にもならない。しかも、そこからは早かった。3ヶ月目の1週間は、10回。2週間は、20回、3週間は、30回とラクにこなせるようになった。まるで、複利の効果のようだった。

おそらくいきなり毎日30回にチャレンジしていたら、それこそ激しい筋肉痛に苛まれ、自尊心はボロボロになり、腕立て伏せをする機会は、永遠に失われていただろう。40代(アラフィフおじさん)のスロースタート作戦は、狙い通り成功した。

■腕立て伏せが習慣になって、得られたこと

身体的な変化

身体的な変化としては、姿勢を褒められるようになった。今まで猫背だったのだろうか。「なにかやっているんですか?」と聞かれることが増えた。また、肩甲骨を可動させていたからか、血流がよくなったからか、肩や首のコリが劇的に減った。また以外なことに、ベルトの穴が一つ減った。これは床腕立て伏せをし始めてからだが、背筋や腹筋への負荷が高まったことで体脂肪が燃焼したのだと思う。

精神的な変化

また、精神面の変化としては、未来に自信を持てるようになった。

腕立て30回が当たり前になった今、心臓疾患のリスクが、10回未満の人(過去の自分)に比べ、約84%低減しているということだ。私は10年間の高齢者介護の仕事を通し、多くの要介護者を見てきた。そこで悟ったことは、最大の社会貢献は「健康な状態で、働き続けること」ということ。

心臓は体のエンジンだ。このエンジンにリスクが少ない状態というのは、人生の後半戦を駆け抜けていく上での自信につながる。

■イタリアのことわざに習おう

40代は人生の折り返し地点として、準備が必要になる時期だ。若い頃は健康が大切だと言われても、分かっちゃいるけどほったらかしにしていたのが実情だ。しかし、今は昔と違う。人生100年という新しい時代に生きている。そのためにも新しい健康習慣が必要だ。その一歩として、あなたの身体的なシルエットを整えてくれて、さらに、心臓や血管のケアにもつながる腕立て伏せ習慣は、きっと短期的にも長期的にも役立つはずだ。

イタリアにこんなことわざがある。「走るよりも歩いたほうが、ラクにずっと遠くに行ける」 「壁」腕立て伏せを実際にやってみると、こんな簡単でいいの?と思うはずだ。しかし、小さなハードルをクリアしていくことこそが、人生最大の「健康で長生き」というハードルをクリアすることにつながっていく。くれぐれも無理はせず、まずはハードルが一番低い、「壁」腕立て伏せから始めよう。

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健康マネジメントスクール

水野雅浩

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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