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【京都市右京区】芭蕉と蕪村 2人のカリスマを中心に俳句と俳画の世界にふれる企画展

くまライター(京都市)

わずか17音の中に季節を表す言葉を読み込む、日本独自の詩形である「俳句」。近年ではテレビ番組が火付け役となってブームとなり、国内外で人気を博しています。

「俳画」は、俳句と絵が一体となったもので、俳句を芸術の域にまで高めた松尾芭蕉をはじめ、多くの俳人が手がけました。中でも俳人であり、画家でもあった与謝蕪村(よさぶそん)は、多くの優れた作品を残しています。

芭蕉と蕪村、この2人のカリスマを中心に、俳句と俳画の世界にふれる企画展が、嵐山の嵯峨嵐山文華館で始まりました。

嵯峨嵐山文華館
嵯峨嵐山文華館

企画展「HAIKUとHAIGA ー芭蕉と蕪村、2人のカリスマー」

10月12日から嵯峨嵐山文華館で始まった「HAIKUとHAIGA ー芭蕉と蕪村、2人のカリスマー」は、俳句と俳画の企画展。3部構成で、第1章では松尾芭蕉にまつわる作品、第2章では与謝蕪村を中心とした作品、第3章では大正から昭和にかけて活躍した画家・池田遙邨(いけだようそん)が種田山頭火(たねださんとうか)の句の世界を評点することに挑戦した「山頭火シリーズ」から4点とその下絵が展示されます。

俳句(Haiku)と俳画(Haiga)で「H&H」。というわけで、某ファッションブランドを思わせるデザインとなりました。某ファッションブランドの許可はとってあるとのことなのでご安心ください。福田美術館もそうですが、嵯峨嵐山文華館もいつも攻めてます。

第1章の目玉となるのが「野ざらし紀行図巻」です。

1684年、41歳の芭蕉は「野ざらし」(骸骨)になることを覚悟して旅に出ます。芭蕉自らこの旅の様子を絵に表し、文字を加えたのが「野ざらし紀行図巻」で、芭蕉独自の俳諧を確立する画期的な作品となりました。

「野ざらし紀行図巻」は長らく行方不明になっていましたが、2022年に再発見され、福田美術館のコレクションに加わりました。嵯峨嵐山文華館では初めての展示になります。

芭蕉自ら描いた絵は、今でいう「ヘタウマ」というか、決してうまくはないのですが、なんともいえない味があります。

中村芳中(なかむらほうちゅう)による「松尾芭蕉像」。これまた味のある絵ですが、本人が見たら納得するのだろうか…

第2章では、蕪村の俳画を中心に、横井金谷(よこいきんかく)などの弟子の作品や、呉春(ごしゅん)による俳画などが展示されます。

奥の細道図巻模写
奥の細道図巻模写

先ほどの作品とは違い、随分と立派な蕪村による「松尾芭蕉像」。これなら本人も納得でしょう。

池田遙邨「山頭火シリーズ」
池田遙邨「山頭火シリーズ」

期間中は「はじめての句会体験」や同志社大学の吉海直人名誉教授による講演「和歌から枝分かれした俳句」といった特別イベントも開催されます。企画展「HAIKUとHAIGA ー芭蕉と蕪村、2人のカリスマー」は、2025年1月19日(日)までの開催です。

企画展「HAIKUとHAIGA ー芭蕉と蕪村、2人のカリスマー」
会場:嵯峨嵐山文華館
   京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
   075-882-1111
会期:2024年10月12日(土)~2025年1月19日(日)
休館:12月3日(火)、12月30日(月)~1月1日(水)
料金:一般・大学生 1,000円、高校生 600円、小・中学生 400円
Webサイトはこちら

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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