”九州豪雨”に最大級の警戒。命を守る行動を。
きょう夕方、梅雨前線に伴う大雨の見通しについて気象庁から発表がありました。
72時間で700ミリ前後の大雨に
梅雨前線の影響で、九州を中心に断続的に激しい雨が降っています。
先週末の土曜日午後4時からきょう午後4時までの72時間雨量は、熊本県や九州南部で200ミリ以上に達しており、400ミリ以上のピンク色が見えている鹿児島県霧島市や宮崎県えびの市、都城市、小林市などでは、局地的に700ミリ前後の雨量を記録しています。
梅雨前線に元熱帯低気圧の暖湿気が衝突
きょう午前6時の実況天気図をみると、九州南部付近に相変わらず梅雨前線が停滞していますが、注目は台湾付近にフィリピンの東から北上してきた熱帯低気圧があることです。
このあと熱帯低気圧は消滅しましたが、湿った空気はまだたっぷりと残っており、このあと太平洋高気圧の縁を回り、あす水曜日には東シナ海から九州へ流れ込んでくるでしょう。つまりこれまで大雨をもたらしている以上の暖湿気が九州へ流れ込むことになりそうです。
さらにこのタイミングに合わせるように、梅雨前線の北側を上空の気圧の谷(寒気や乾いた空気に対応)が東進することになり、梅雨前線に伴う活発な雨雲の生成要因としてはこれ以上ない組み合わせになってしまいそうです。
水曜日の明け方にはもう始まる
現在は、やや小康状態となっている九州の強雨ですが、あす水曜日の明け方には、東シナ海からの活発な雨雲が到達し、再び西岸を中心に雨脚が強まる予想です。この時点ですでに雷を伴って激しい雨が降っている可能性もあります。
水曜日の午後は危険度一気に上昇
水曜日の午後になると、上述した元熱帯低気圧に伴う暖湿気が九州に到達してくるため、一段と雨雲が活発化するでしょう。
熊本県、鹿児島県、宮崎県を中心に非常に激しい雨が降り、線状降水帯が出現すれば、断続的に猛烈な雨が降るようなおそれもあります。
夜にかけて、危険度マックスに
そして、同じような状態のまま水曜日の夜を迎えるでしょう。
引き続き、あちらこちらで非常に激しい雨が降り、局地的には数時間、猛烈な雨に見舞われるおそれもあります。
水曜日午後6時までの24時間の予想雨量は、いずれも多い所で、九州で150~180ミリ、四国で120ミリです。
さらにその後、木曜日午後6時までの24時間の予想雨量は、九州で300~400ミリ、四国で200~300ミリ、近畿、東海、関東甲信で100~200ミリと予想されています。
あすは状況によっては大雨特別警報が出される可能性も想定内です。
これは今年から始まった避難情報としてはレベル5に位置付けられており、すでに災害が発生するなどして、避難することが困難な状態とも言えます。
すでにレベル4の避難勧告やレベル3の高齢者などの避難準備情報が広く出されていますが、この段階からなるべく早め早めの避難行動を行って下さい。猛烈な雨が降るような場合は、警察や消防などが救助に向かっても、浸水などにより、なかなかたどり着けない事態も想定されます。
あすは熊本県、鹿児島県、宮崎県の方は、特に自分の命は自分で守ることを念頭に置き、早め早めの避難行動をとって頂きたいと思います。
木曜日にかけて、大雨は東へ
その後、木曜日にかけても、鹿児島県など、九州南部は依然として雨雲の通り道となる予想です。
さらに活発な雨雲は東へも広がり、木曜日の明け方から朝は近畿から関東にかけても雨脚が強まり、大雨となっている所があるでしょう。
今回最も危険度の高い地域はもちろん九州なのですが、その他の所でも活発な雨雲が通過し、線状降水帯が発生するようなことがあると、猛烈な雨が降ることがあるかもしれません。
大雨の情報や自治体から発表される避難情報にくれぐれもご注意下さい。