米空母ドローン空撮、米海軍横須賀基地司令部「SNSへの投稿は承知している。安全上問題なし」とコメント
SNS上に拡散された米海軍横須賀基地(横須賀市)に停泊中の原子力空母「ロナルド・レーガン」をドローンで空撮したと称する画像をめぐり、米海軍横須賀基地司令部広報は5月10日、筆者が東京特派員を務める米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」の取材に対し、以下のように電子メールでコメントを回答した。
ディプロマットの質問:SNSに投稿された空母ロナルド・レーガンの写真は実際に撮影されたものかどうか、どのように分析しているかコメントをください。
米海軍横須賀基地司令部広報の回答:空母ロナルド・レーガンの写真に関する画像がソーシャル・メディアに投稿されたことは承知しています。当基地や配備されている艦船などでは、日々部隊防護措置がとられており、米海軍横須賀基地、空母ロナルド・レーガンおよびその乗組員の安全上の問題はありませんでした。
(英語原文)"We're aware of the social media posts concerning imagery of USS Ronald Reagan (CVN 76). Our bases and assets have several force protection measures in place every day, and at no time was the security of Commander Fleet Activities Yokosuka, USS Ronald Reagan or her crew, in question."
自衛隊基地と同様、米軍施設の上空や周辺を無許可でドローン飛行することは法律で禁止されている。
問題のロナルド・レーガンをドローンで撮影したとする画像はX(旧ツイッター)にまず4月4日に投稿された。Xには、ロナルド・レーガンのほかにも複数の米軍艦艇が停泊している米海軍横須賀基地内を上空から撮影したとみられる写真が複数投稿された。
さらに、5月8日にはロナルド・レーガンの左舷を艦首側から艦尾側に移動しながら16秒間空撮したとみられる動画も投稿された。艦橋にはロナルド・レーガンの艦番号「76」が見える。整備中とみられる飛行甲板にはクレーン車や各種の資機材、プレハブ小屋、歩く人々の姿も映っている。
米海軍横須賀基地司令部広報は、同基地やロナルド・レーガン、その乗組員の安全上の問題はなかったとコメントしたが、第7艦隊の拠点である同基地へのドローンの侵入を許し、万が一、接近したドローンによって攻撃された場合には安全保障上の重大な被害をもたらしかねない。
防衛省は9日、海上自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」をドローンから空撮したと称する動画と画像の真偽について、「映像は実際に撮影された可能性が高い」とする最終分析結果を公表した。そして、防衛上、重大な支障を生じかねないことから「極めて深刻に受け止めている」とし、警備に万全を期す方針を示した。
いずもと同様に米空母も実際に撮影された可能性が高い中、再発防止のために日米両国が連携協力し、基地警備に万全を期さなければならない。
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