インド洋東部で対流活動が活発化 来週後半にかけて日本付近へ伝搬する可能性も
インド洋東部で対流活動活発化
タイトル画像にある雲の様子をみると、日本のはるか南西方向、インド洋の東部で熱帯低気圧が2つ発生しており、これらを含んで、対流活動が非常に活発となっています。
上図は上空12000メートル付近(上)の上層と1500メートル付近(下)の下層の収束や発散が平年と比べてどれくらい強いか弱いかを示したもので、青色が濃いほど発散が強く、赤色が濃いほど収束が強いことを表しています。
インド洋東部にあたる赤い丸の中に注目すると、上空12000メートル付近の上層では青色の発散が強く、逆に上空1500メートル付近の下層では赤色の収束が強くなっており、これは下層で収束した空気が上層で発散するという、まさに対流活動が活発であることを示している状態といえます。
こういう大規模な対流活動の活発域(不活発域)は東へ伝搬することがあり、今回もそのような予想となっています。
対流活動の活発域が来週後半に日本付近へ?
上図は来週13日(金)を中心とした収束や発散の予想ですが、現在インド洋東部にある対流活動の活発域が東に伝搬するように移動し、日本付近から南シナ海北部にかけて、対流活動が平年より活発となる予想です。
対流活動が活発となれば、もちろん雨雲が発達し、雨量が増えることが予想されるわけですが、実際にそのような予想になっています。
降水量の予想
来週13日(金)を中心とした降水量の予想をみると、やはり対流活動が活発となる日本付近から南シナ海北部にかけて多くなっており、これに相当する梅雨前線の活動が活発となれば、すでに梅雨入りが発表されている沖縄はもちろん、本州付近でも雨量が増える心配があります。
来週後半は大雨に警戒を
ウェザーマップによる10日間予報をみると、11日(水)から14日(土)にかけて、東日本や西日本で傘マークが並んでおり、太平洋側を中心に雨脚の強まる所も多いでしょう。
南からの暖湿気の流れ込み次第では、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降るおそれもあり、沖縄以外でも大雨に警戒が必要となるかもしれません。
気象庁からも、来週の中頃以降は、前線に向かって下層暖湿気(850hPa相当温位330K以上)が流入し、西日本と東日本を中心に大雨となる可能性があるため、今後の予想に留意する旨、発表されています。
来週はまだ本州付近で梅雨入りが発表されることはないと思いますが、状況的にはまさに梅雨の走りで、その梅雨の走りが梅雨本番並みの大雨をもたらす可能性もあるため、今後の情報に注意が必要です。