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ナオミ・キャンベル、53歳で再びママに。超高齢出産セレブはもはや珍しくない

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
ナオミ・キャンベルは現在53歳(写真:REX/アフロ)

 79歳のロバート・デ・ニーロと83歳のアル・パチーノに立て続けに子供が生まれて世の中をびっくりさせたのは、つい最近のこと。だが、女性も決して負けていない。アメリカ時間29日には、ナオミ・キャンベルが、ふたり目の子供ができたことをインスタグラムで発表した。

 キャンベルは現在53歳。ひとり目を生んだのは2年前だ。昨年、キャンベルは、英国版「Vogue」に対し、当時9ヶ月の女の子の赤ちゃんについて「養子ではなくて、自分の子よ」と言うにとどまっている。詳しいことはこれから書くつもりの回顧録のためにとってあるのだそうだ。ただし、母になったことにとても満足しているようで、「もっと子供が欲しいですか?」という問いにも、笑いながら「それもいいんじゃない?」と答えていた。彼女はもうそれを考えていたということだろう。ふたり目の子は、男の子だ。

(ナオミ・キャンベルのインスタグラムより)
(ナオミ・キャンベルのインスタグラムより)

 実際、彼女は決して新記録ではない。2018年にはブリジット・ニールセンが48歳にして5人目の子供を授かっている。子供の父親はニールセンの5人目の夫マティア・デシ。ひとり目、3人目、4人目の夫との間に生まれた子たちは全員男の子で(唯一、彼女が子供を作らなかったふたり目の夫はシルベスタ・スタローン)、5人目にして初めての女の子の誕生だ。15歳下のデシとも子供を持つことは早くから望んでおり、2008年にも「不妊治療を始めるつもり」とインタビューで語っていた。出産前、お腹が大きい写真をソーシャルメディアに投稿しているように、自分で生んでいる。

(ブリジット・ニールセンのインスタグラムより)
(ブリジット・ニールセンのインスタグラムより)

 ジャネット・ジャクソンも、50歳にして初めての子供を生んだ。男の子で、父親は3人目の夫ウィッサム・アル・マナ(赤ちゃんが生まれた後、夫妻は破局)。また、今年4月には48歳のヒラリー・スワンクに男の子と女の子の双子が生まれている。ローラ・リニーが初めての子供を生んだのも、49歳の時。誰も妊娠に気づかなかったので、出産のニュースには驚いたが、「お腹が目立つからエミー賞授賞式を欠席した」「つわりでよく吐いた」と語っており、うまく妊娠を隠し通したようだ。レイチェル・ワイズとダニエル・クレイグの娘も、ワイズが48歳だった時に生まれている。

代理母を雇う、あるいは養子を取ってママになる例も

 一方、キャメロン・ディアスは、47歳の時、代理母を使って初めての赤ちゃんを生んだ。2015年にベンジー・マッデンと結婚して以来、子供を望む彼女は、不妊治療をしてきたらしい。夫妻はもうひとり子供を考えているという報道もある。

 代理母を使うケースは珍しくなく、今年1月、41歳で初めてママになったパリス・ヒルトンも、代理母による出産だったと明かしている。友人キム・カーダシアンに勧められての決意だったそうだ。カーダシアンは2人目を生む時に高いリスクを経験したため、まだ30代だったが、3人目と4人目を作るにあたり、代理母を雇うことにした。アンジェラ・バセットは48歳で、サラ・ジェシカ・パーカーは44歳で、それぞれ双子を授かったが、実際に出産したのはいずれも代理母。バセットの場合は男の子の双子、パーカーの場合は女の子の双子だ。

サラ・ジェシカ・パーカーと双子の娘たち
サラ・ジェシカ・パーカーと双子の娘たち写真:Splash/アフロ

 シングルのまま、養子を引き取って母となるセレブも少なくない。パーカーと「セックス・アンド・ザ・シティ」で共演してきたクリスティン・デイヴィスは、2011年に女の子、2018年に男の子の養子を引き取った。下の子がやってきたのは、彼女が53歳だった時だ。デイヴィス同様、結婚歴のないダイアン・キートンは、50歳の時に女の子を、5年後に男の子を養子に受け入れている。

 サンドラ・ブロックは、ジェシー・ジェームズと結婚していた45歳の時、男の子の赤ちゃんを養子縁組する手続きを始めていたが、ジェームズの不倫が発覚し、離婚することに。だが、ブロックはそのまま手続きを進行させ、シングルマザーとしてその赤ちゃんを引き取った。その5年後には、新たに3歳の女の子を引き取っている。

サンドラ・ブロックと養子のルイス君。2014年
サンドラ・ブロックと養子のルイス君。2014年写真:Splash/アフロ

 そんなふうに、ママになる経緯もさまざま。昔と違ってキャリアやライフスタイルの選択肢が増えたのだから、それも自然な流れだろう。どんな形であったにしても、母子の愛は母子の愛だ。それに、それがいつであったとしても、本人がいいのであればいい。

 キャンベルは、先に述べた英国版「Vogue」のインタビューの中でも、自分と同じようにもう若くはない女友達に「迷わなくていいわよ。やりなさい」と励ますと語っていたし、ふたり目の誕生を報告するインスタグラムでも「母になるのに遅すぎることはない」と書いている。そのうち、出産ニュースで親の年齢を聞いて驚くことも、少なくなっていくのかもしれない。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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