本当は怖い笑顔うつの「共通点」や症状について。
こんにちは、精神科医しょうです。
憂うつな気持ちが継続しているにも関わらず、人前では大丈夫なフリを装って、明るく振舞ったり笑顔を浮かべたりして乗り越えていませんか?
自分の感情にフタをしてしまっていると、心身に様々な症状が表れ出し、最終的には大きな病を発症してしまうかもしれません。
最近、耳にするようになった「笑顔うつ病」。これは正式病名ではありませんが、軽度から中度のうつ病に該当すると言われています。
患っている本人の表情や言動は健常者と変わらず、周りから悟られることがほとんどありません。
笑顔うつ病を患いやすい人は、良好な人間関係を築いている人にも多くみられるため、周囲からの信任もあついことがうかがい知れます。
そこで、今回は「笑顔うつ病」になりやすい人についての知見を深めていきたいと思います。
笑顔うつ病を患っている人がおちいりがちな共通点
笑顔うつ病を患っている人は、人に弱みを見せたくない、周囲に心配や迷惑を掛けたくないという思いから、無理矢理、明るく元気なフリをしてしまう人が多くいます。
しかし、そのような言動を取ることは、果たして適切なことなのでしょうか。
微笑みうつ病を患っている人がおちいりがちなケースについていくつか考えたいと思います。
・周囲から理解されずつらい期間が長くなる
笑顔で元気なフリを装っている以上、どれだけ近しい人であったとしても、気が付いてくれることはほとんどないと思うべきでしょう。
自分が無理をしていると感じている人は、自分の正直な気持ちを家族や職場の人に伝える努力をしてみましょう。
・何でも頼られてしまい、仕事量が増える
笑顔うつ病になりやすい人は、責任感があり真面目な人が多いです。
仕事においても、妥協を許さず誠心誠意、全力で取り組む傾向があるため、周囲からの信頼を得られます。
しかし、良くも悪くもできる人の元には仕事が集まってしまうので、量は増す一方に…。
・空虚感が日々増していく
憂うつな気持ちが継続すれば、毎日を楽しむ余裕すらなくなります。
「このままでいいのだろうか?」「このままつまらない人生が続いたら…」とネガティブなことばかり考え続けてしまうことになります。
・自分の気持ちが分からなくなる
いつも作り笑顔で、自分の感情とは正反対の言動を繰り返している内に自分自身が分からなくなってしまいます。
自分がうつ病を患っていることすら、気付かないので、気が付いた時には病が進行してしまう可能性があります。
笑顔うつ病の人が訴えがちな症状とは?
微笑みうつ病を患っている人は、どのような症状が表れるのでしょうか?
ほんの一例に過ぎませんが、いくつか紹介したいと思います。
・憂うつで気持ちが晴れないが、人前では笑顔を浮かべることができる。
・何事にも興味がわかなくなった。
・体重の増減
・不眠もしくは、一日中眠い
・やる気や気力がわかない
・集中できない
・生きているのがつらいと感じることがある
微笑みうつ病について周囲の理解が得られなかったら?
微笑みうつ病は外見からは判断することが難しい病の一つなので、本人が苦しい思いをしていても、周囲に気付かれなかったり、元気そうだから大丈夫だろうと判断されてしまったりするケースが多くあります。
そのような周囲の反応は、患っている本人をますます苦しめてしまうことにつながりかねません。
では、微笑みうつ病を患っているかもしれないと感じたら、誰に相談することが適切なのでしょうか?
もし、周囲に相談する相手がいないと判断した場合は、下記の窓口を頼ってみるのも選択肢の一つです。
・医療機関を受診する
大きな総合病院を受診するには、紹介状が必要である場合が多いので、まずは、近くの精神科や心療内科を専門としているクリニックを受診してみましょう。
症状や進行具合によっては、大きな病院での治療をすすめられる場合もあります。
・厚生労働省が開設している相談窓口を利用する
電話だけではなくSNSやメールでも相談を受け付けてくれます。
また、医療機関の検索もできるシステムになっているので、一度チェックしてみましょう。
・行政の相談窓口を利用する
各都道府県や市町村などにも相談窓口が設置されています。
状況に応じて、専門家が関連機関と連携しながら相談に応じてくれるシステムになっているところもあるので、気になる方はお住いの市町村のホームページをチェックしてみましょう。
まとめ
今回は笑顔うつ病になりやすい人がおちいりやすい心理状況と訴えがちな症状、相談窓口について、解説してみました。
微笑みうつ病は、診断が非常に難しく周囲の理解を得ることが難しい病ですが、今回の内容をご覧いただいた皆さんの理解が深まったなら、とても嬉しく思います。
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