アメリカのニュースマガジン「タイム（TIME）」の企画「次世代の100人（TIME 100 NEXT）2021」に、「鬼滅の刃」の原作者・吾峠呼世晴氏が、漫画家として初めて選出され、現地各メディアで報道されました。

今回吾峠氏が選ばれた「次世代の100人」とは、米誌「タイム」が世界で最も影響力のある100人を選出する有名企画「TIME 100」の拡大版として”各業界の未来を担う100人の新星にスポットを当てた”リストです。

吾峠氏は今回、非凡な人々・天才を意味する“PHENOMS”のセクションで、各セクション世界中の錚々たるメンバーの中、漫画家としては初めて選出されました。

とはいえ15年以上続く「TIME 100」と違い、2019年に新設された本企画「次世代の100人」の開催は今回でまだ2回目です。

また、日本だけでなく世界中からの注目を考えた時に、他のどの漫画家よりもまず先に氏が選出されたことには、少なからず驚きのリアクションも見受けられました。

日本はもちろん、各国での「鬼滅」人気の高さは度々報じられてはきましたが、今回当企画に氏が選出される決め手はどこにあったと考えられるのでしょうか。

◆劇場版「無限列車編」が世界に与えたインパクト

吾峠氏の紹介ページでも触れられているように、今回の選出には、昨年公開された劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の日本での歴史的なヒットが、大きく影響していたようです。

実際に、特にそれが昨年以降のコロナ禍で達成されたことは、製作・配給・興行共に大きな打撃を受けているハリウッドをはじめとした世界の映画業界にとって、より一層衝撃的な出来事として受け止められていました。

そんな中 吾峠氏には、この状況下で成功を収めた作品の”謎多き原作者”として、現地のアニメ・漫画ファン”以外からも”、多くの関心が集まっていたのでしょう。

『日本のアニメや漫画は世界でも人気』とはいえ、まだ当企画のような世界に向けた大衆向け企画で取り上げられるには少しニッチともいえる今回の選出からは、無限列車編の大ヒットが世界に与えたインパクトがいかに大きかったのかが窺えます。

そうした時勢に加え、これまで世界に名を馳せてきた他の漫画家より先に氏が選出された理由としては、当企画の“未来を担う100人”というコンセプトによるところが大きかったのだと思います。

今回の選出は、今年2021年に北米で公開予定の無限列車編への注目はもちろん、吾峠氏による今後のエンタメ界での世界的な活躍を大いに期待しての結果でもあるようです。