富山商工会議所が主催する「ベストショップコンテスト」は、今回で77回目の開催を迎えました。富山市内の3年以内に新規オープンまたはリニューアルした店舗を対象に、ショップの魅力をさまざまな観点から表彰しています。

コンテストの受賞店を巡るこのシリーズの第8回として、キラリ賞を受賞した美容院「En（エン）」をご紹介します。

オーナーで店長の滑川裕也さんにインタビューを実施し、お店のコンセプトや、普段から大切にしている考え方に至るまで詳しくお話をうかがいました。

2024年7月富山市秋吉にオープン　美容院「En」

2024年7月、富山市秋吉にオープンした美容院「En」。夕方以降は、倉庫感のある見た目の建物の壁に光るシンプルなロゴが目印に。お店の隣には駐車場があります。

黒部市ご出身の滑川さんは、富山市内の美容院でご経験を積み、このお店のオープンを機に独立しました。もともと独立願望はあったものの、タイミングを見計らいながら慎重に準備を進め、満を持してオープンに踏み切ったといいます。

コンセプトは「気を遣わずにすごせる場所」です。入店時の親しみやすい挨拶や丁寧なカウンセリングでお客様の要望を細かく聞き取りつつ、自然体でいられることに重点を置いたリラックスできるサービスを提供しています。

待合席は、背もたれ付きの椅子を配置し、あえて壁側を見てすごせる設計に。こうすることで、店内の様子や周囲の目を気にせず利用できます。

小さなお子様連れのお客様が来店したときには、カウンターで絵を描くなどして落ち着いてすごせる配慮がなされています。

人とのつながりで生まれたお店

以前の美容院で働いていた頃から、「美容師としての経験だけでなく、人とのつながりを大切にしてきました」と滑川さんは語ります。

お店づくりの過程でも、多くの人との出会いが背中を押してくれたと振り返ります。たとえば、内装を手がけたのは、かつて滑川さんの同期が経営するお店を担当していた設計士さんです。他にも「これまでのご縁や新たなご縁を紡いで、このお店のオープンに至りました」と感慨深げに話す姿が印象的です。

さらに、日々の運営にも「つながり」が活かされています。前職から共に働くスタッフは、滑川さんにとって家族以上に多くの時間を共有する大切な存在。スタッフが楽しく働ける環境を目指し、気軽に相談しやすい職場づくりを心がけているそうです。「お互いが気持ちよく働けることで、いい雰囲気がお客様にも伝わる。それが何より大切だと思っています」とお話してくれました。

また、地域の人が通いやすい美容院を目指し、大手の飲食チェーンなどが集まる秋吉に出店。その中で、落ち着きがありながらも目に留まりやすい、見つけていただきやすく通っていただきやすい現在の場所を選んだそうです。

「ふらっと立ち寄れてリラックスできる場所と思ってもらえたらいい」とも話し、美容院としてのサービスと親しみやすい“場”を提供していることが強く伝わってきました。

ベストショップコンテスト2024 キラリ賞の受賞を受けて

受賞を受けての感想をうかがうと、滑川さんは「スタッフやお客様との関係性の延長線上に、ベストショップコンテスト2024のキラリ賞受賞という結果があると思っています」と感謝の気持ちを語ってくれました。「お店としてはまだまだ始まったばかりなので、もっと地域の皆さんに親しまれるお店を目指したいです」と、意欲的な姿勢を見せます。

美容院「En」では、お客様のご要望に応じたスタイルに仕上げることを心がけていますが、とくにハイトーンカラーが得意だそうです。また、トリートメントは種類豊富に用意し、お客様一人ひとりの髪の状態に合わせた施術を提供できるようにしています。

「髪のダメージは一人ひとり異なり、複雑です。それでも効果を実感していただけるように知識や施術の内容を追求しています」とのこと。今後、さらに地域の人々に愛される美容院になり、私たちの生活に癒しや彩りを加えてくれることを楽しみにしています！

この記事では、 #富山ジャーナリスト の岩井ななが休日に行きたくなる富山市内のショップやイベントをご紹介しています。今後の情報発信もお楽しみに！