2014年ツール・ド・フランス第20ステージ 風が吹いたら遅刻して、雨が降ったら……
101回目のツールは、沿道のファンが少なかった?
たしかに。
英国や英語圏のファンたちが、3日間の英国ステージ観戦を選んだせいもある。フルームやコンタドールといった大物が、序盤でリタイアしてしまったせいかもしれない。バスクチームが消滅し、オレンジ色の数も減った。そもそもアメリカのファンは、2年前ほどからめっきり少なくなった。
ただ、一番の原因は、悪天候だと言われている。フランスの普通のファンたちは、雨の中、無理に外でレースを見ようとは思わないから。おうちの居心地のいいソファーの上で、アペリティフ(食前酒)を飲みながら、ゆっくりTVを見たほうがいい。せっかくのバカンスなのに、好き好んで雨に打たれるなんて、馬鹿げてる……。
おそらく、これが、真実だ。そしてフランス国内のテレビ視聴率は、素晴らしい数字をたたき出した。
2013年、100回目のツールは、生中継を見ていた人の平均数は1日320万人。それが2014年は、340万人に跳ね上がった。トニー・ガロパンがマイヨ・ジョーヌを獲った日は、瞬間視聴者数700万人!ティボー・ピノとロマン・バルデが張り合った日は、650万人!
いずれもツール史上の最高記録だった。
今年のツールもあと2日。幸いにもお天気は良く、沿道にはたくさんのファンが繰り出した。やっぱりツールは、こうでなくちゃ。