台風16号 来週中頃に九州接近へ~広島でも大雨警戒か~
九州接近のおそれ高まる
台風16号は、新しい予報円が発表される毎にその進路が西へ、北へと大きく変わってきました。これは日本の南にある太平洋高気圧の強さの予想が今回特に困難だったためですが、その予想もどうやら落ち着き、進路予想も正確性が増してきたようです。
台風はフィリピンの北部付近で北寄りに転向しており、今後台湾付近を北上した後、中国大陸に近い海上を北上する見込みです。そして、23日(火)頃、上海沖に達した頃から太平洋高気圧の北側へ入り、東寄りに進路を変え、九州付近を指向する予想です。
その後、予報円の真ん中を進むと24日(水)~25日(木)頃にかけて、九州のすぐ北の海上から日本海沿岸を進む予想となっています。
今後も予報円は変わる可能性はありますが、諸外国の計算ともほぼ揃ってきており、おおむね現在の予報円に沿うような進路で進む可能性が高いと思われます。
ただ、台風16号は海水温が30度前後ある暖かな海域を北上しますが、進路にあたるコースには台湾があり、また中国大陸に近い所を北上するため、なかなか台風は発達することが出来ないと思われます。(陸域では発達しづらい)
気象庁の予想でも、台湾に達する頃までは多少勢力を強めますが、その後、上海沖に北上しながら、徐々に勢力を落とす予想です。
このため、九州に接近する頃に暴風域を伴っている可能性はあまり高くないと思われますが、大雨に関しては厳重な警戒が必要だと思います。
勢力強くなくとも、大雨に厳重警戒か
台風位相が通過する24日(水)~25日(木)にかけて、西日本を中心に大きく雨域が広がる予想で、湿った空気の流入を示す相当温位も台風の南側から345K以上が流入する予想です。これは1時間あたり50ミリ以上の非常に激しい雨を降らせる力を持った暖湿気であり、地形や風の影響次第では、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を降らせる可能性のある暖湿気です。
台風が九州の南を通れば、暖湿気の流入はある程度は抑えられますが、現在予想されているようなコース、九州北部~日本海沿岸を通るようなコースを取ると、西日本にはまともに暖湿気が流入するため、先月大きな土砂災害の発生した広島をはじめ、大雨の危険度は非常に高くなることが予想されます。
今回の台風、勢力がさほど強くならなくても、コースによってはかなりの大雨をもたらすおそれがあるため、十分な警戒が必要です。