【京都市上京区】源氏物語の神社で行われる文学賞に440を超える応募 竹のオブジェで萩のアーチトンネル
京都御所清和院御門に隣接し、文学と学問の神様として、幕末動乱期に活躍した三條實美(さねとみ)やその父三條實萬(つねさむ) を祀り、「萩の宮」としても知られるのが梨木神社です。周辺にはNHK大河ドラマで吉高由里子さんが演じる紫式部の邸宅跡とされる蘆山寺もあり、源氏物語の舞台ともなった同神社の境内の至る所にある萩の花が見ごろを迎えています。
その梨木神社で「神社仏閣をもっと身近に実行委員会」が2024年11月9日に開催する「第1回京都やおよろず文学賞」授賞式に注目が集まっています。同実行委員会によると短編小説の応募はすでに10月13日に締め切られ、440を超える力作の応募がなされたとのこと。公募は「京都と神頼み」「京都と愛」「京都と幕末」「京都と雅」の4つのテーマで800 文字以内の短編で行われました。
授賞式当日は、同実行委員会によって「萩のアーチトンネル(萩のまにまに)」が誕生して披露されます。500株以上の萩が織りなすこのアーチは、京都西山特産の竹を用いて制作され、京都大学の学生や竹の魅力を伝える「“竹垣専門店”長岡銘竹株式会社」(外部リンク)、「JA京都市」の協力で創り出されます。
水や風のように流れる曲線が人々をトンネルへ誘い、砂利道側と鳥居側で異なる時間の流れを演出して架け橋とする魅力的なアーチとなります。トンネル制作にあたって、10月20日には向日市物集女の竹やぶで、京都大学の早川小百合特定助教や技術職員で一級建築士の資格も有する藤平剛久さんら率いる学生さんたちが長岡銘竹の真下彰宏さんの指導の下、京都西山でも社会問題化している放置竹林を整備して2mから2.5mの竹50本の切り出しを行いました。
さらに、境内にて作家大滝瓶太さんと「出町座」のCAVABOOKS 宮迫憲彦店主によるトークショーやさまざまな作家や文芸愛好家による同人誌が一堂に会する「ことなり京都文芸同人誌即売会」なども開催され、キッチンカーも登場します。
また神社境内には宮中から移築され、茶室として使われていた旧春興殿をリノベーションしたスペシャルティコーヒーの専門店「Coffee Base NASHINOKI」もあります。梨木神社の境内に湧く、京都三名水のひとつ「染井の水」を使ったコーヒーは格別です。
いずれも観覧は無料です。紅葉シーズンのこの時期に新しい文学の息吹や美味しい食にもふれて、美しい萩のトンネルを楽しんでみませんか!
梨木神社(外部リンク)京都市上京区染殿町680 075-211-0885
神社仏閣をもっと身近に実行委員会(外部リンク)京都市上京区中之町507-6(お衣裳さわらぎ方)075-812-1895