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独自の発展を遂げた長浜ラーメン〈替玉発祥のお店にして創業72年の本家本元〉福岡の代表的なソウルフード

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市中央区の長浜は「長浜ラーメン」の聖地であり、本場の味を今もなお、伝え続ける本家本元の〈元祖長浜屋〉が存在する場所だ。1952年(昭和27年)の創業以来、今年で72年を迎えた老舗にして「替玉発祥のお店」としても知られている、地元の人々から愛される人気のお店。長浜鮮魚市場周辺で独自の発展を遂げてきた「元祖の中の元祖」は今も変わらず、長浜のソウルフードとして、福岡のラーメンシーンを牽引。

長年、地元の方々に愛されてきた長浜ラーメンの聖地〈元祖長浜屋〉。現在は早朝から行例ができることもあり、当然、お昼のピークタイムは地元の方だけではなく、多くの観光客が訪れ大行列になる人気のお店。今や福岡市の貴重な観光名所の一つと言っても過言ではない存在になっている。

長浜ラーメンの元祖の中の元祖

歴史ある名店の味を今もなお。店舗のそばには、今も変わらず福岡市の鮮魚市場がある。昔、食事を取る時間の少ない市場関係者に向けて、茹で時間を短くするよう豚骨のスープに細麺を合わせて提供するスタイルになったのが〈元祖長浜屋〉の始まり。また、細麺だと麺がすぐ伸びてしまうので、伸びないように麺量を少なくし、その代わりに「替玉」という今も続くスタイルが、ここ〈元祖長浜屋〉から生まれたという。

元祖のインスパイア系店も隆盛

現在では〈元祖長浜屋〉を元々の起源とする派生系のお店や、インスパイア系のお店も多数存在していて、どのお店も人気があり、時間が許すようであれば食べ比べてみるのも楽しいかも。また以前は、近くに支店があった時期もあるが、今現在〈元祖長浜屋〉には支店はなく、ここ「長浜の地」のみの1店舗で営業されている。

福岡の食文化としての観光資源

観光資源の少ない「福岡市」も、食文化的な視点から、福岡市中央区「長浜エリア」に力を入れはじめていて、昔ながらの「屋台エリア」を復活させるなど、一時期話題にもなった。また福岡市の中心街「天神地区」にも隣接しているため、ここ〈元祖長浜屋〉も、長浜ラーメンの発祥地として、観光客や出張族の食事スポットの選択肢の一つとなり話題に事欠かない状況。

豚骨ながら濁りのないスープが特徴的

この日、訪れたのは早朝5時頃。前日から朝イチで行こうと決めていた。まだ夜が明けてない中、店先に到着すると、まずは〈元祖長浜屋〉の上階にある立体駐車場へ。2階の駐車スペースに車を停車し、その駐車場の階段を降りていくと、すぐそこに〈元祖長浜屋〉がある。

開店間もない早朝の時間帯にもかかわらず先客多数。店先にある券売機では「ラーメン」を発券し、店内へ入ると同時に「ベタカタ」を自らコール。大きなテーブル席が複数あり、空いている席に座る相席スタイル。

待つことほんの1分弱でラーメンが配膳される。まずは、そのまま麺とスープを啜り、その後は味を均等に整えるため、麺とスープと肉をよく混ぜる(肉が結構「しょっぱい」ので混ぜるといい塩梅になることもある)。それでもちょっと薄く感じた時は「ラーメンのタレ」を少々注いで味を整えると自分好みの一杯になる。

あとは卓上に紅生姜と胡麻もあるのでお好みで。丼碗は小さめのサイズだけど、麺の量は意外と多めなので、替玉する際は注意が必要かも。

麺だけのおかわり「替玉」の発祥店

替玉は硬さによってはすぐに届くので、早すぎるコールには注意を払いつつ、「4分の3」ほど、食べたところで「硬い玉」をコール。やはりすぐに茹で上がり、店員さんが麺の入った皿を持ってきて、そのまま丼碗に投入してくれる。昔ながらの平ザルから直接のスタイルではないけれど、お腹を空かせた状態で替玉まで体験してみるのもいいかもしれない。

独特な注文システムが存在する

話が前後するが、お店の前にある券売機で、まず食券を購入する。基本的に「ラーメン」しかないので、購入後はそのまま店内へ入ると、何も言わなければ麺の硬さを聞かれる。そこで店内へ入るタイミングで「油の量」と「麺の硬さ」を同時に伝えるのが恒例。油の量は「ベタ・(普通)・ナシ」で、麺の硬さは「ナマ・カタ・普通・ヤワ」といったところが一般的な感じ。それを組み合わせて「ベタナマ:油多めの超硬麺」や「ベタカタ:油多めの硬麺」、さっぱりとした油ナシがよければ「ナシカタ:油無しの硬麺」や「ナシヤワ:油無しの柔麺」などの組み合わせもある。油の量は普通でよければ、麺の硬さのみ「ナマ」とか「カタ」とかで注文すれば、お店の方とも共通言語として通じる。自身の場合はあまりこだわりがないので「ベタカタ」もしくは「カタ」で注文することが多い。さらに昔からずっと通われている顔を覚えられている常連さんになると何も言わずとも店員さんが「ベタナマ」とか、好みを先にコールし、注文を通すこともあるくらい、常連さんも多く存在し、最低でも週3以上は食べているという猛者も存在するほど、地元の人々に愛されているソウルフードである。

駐車場からの乗り降りも含め滞在時間は10分少々(駐車場代は50円でした)。あっという間に完食してごちそうさまでした。帰り道も、まだまだ夜が明けておらず暗いけど、お腹いっぱいになり満足な一日の始まりになった。

最寄りの駅は、福岡市営地下鉄空港線の「赤坂駅」。そこから徒歩10〜15分ほど。大行列ができている時間帯も多々ありますが、福岡観光や出張の「シメ」に、深夜とか、朝一番に行かれてみてはいかがでしょうか。

元祖長浜屋

住所  :福岡県福岡市中央区長浜2丁目5-25[地図
営業時間:5時00分~翌1時45分 ※要確認
    :5時00分~早じまい(23時〜24時くらいまで:火曜日)
定休日 :年末年始 ※要確認
駐車場 :有料駐車場あり(トラストパークの1階が店舗)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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