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NY金7日:米雇用統計を受けて乱高下も、ドル安で続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比4.00ドル高

始値 1,089.00ドル

高値 1,098.70ドル

安値 1,081.10ドル

終値 1,093.80ドル

7月米雇用統計発表後のドル安を受けて、続伸した。

アジアタイムは1,080ドル台後半での小動きに終始したが、欧州タイム入り後は米雇用統計の発表を前にショートカバー進める動きが強まり、1,090ドル台前半で雇用統計の発表を迎えることになった。その雇用統計発表直後はドル高連動で一時1,081.10ドルまで急落したが、比較的短時間でその後は逆にドル安に振れたことで、金相場も引けにかけてはプラス圏に切り返す展開になった。概ね2時間程度で、雇用統計発表直後の安値から17ドル近い上げ幅を記録している。

7月米雇用統計での非農業部門就業者数は前月比+21.5万人となり、市場予測+22.5万人を下回った。ただ、前月分が速報の+22.3万人から+23.1万人まで上方修正されたこと、失業率や労働参加率は前月の水準を維持したことで、マーケットでは総じて利上げの方向性を支持するに足る数値との評価が優勢になった。ただ、これで9月利上げ着手の確立を高める程の強さはみられず、結果的にはサプライズ感の乏しい数値と受け止めた向きが多かった模様。このため、当初はドル買い・金売りで反応したものの、早めに利益確定を進める向きも大きく、大きな値動きには発展しなかった。

今回の雇用統計が金相場の急落を促すのに失敗した以上、目先は各種指標を確認しつつ、利上げ着手までの距離感を探ることになる。8月13日発表の7月小売売上高などが焦点となるだろう。利上げの方向性そのものは一段と強固なものになるため、金相場の反発が難しい状況には変化が見られない。現物市場からのサポートも鈍く、目先は利上げが実行段階に移された時点で、どの程度の目標達成感が広がるのかが焦点になる。なお自律反発的な動きで1,100ドル台を回復する可能性も想定しておく必要があるものの、今回の雇用統計に関しては瞬間的な戻り圧力の有無との視点で十分と考えている。日柄調整は着実に進んでおり、戻り売り優勢の地合を想定しておきたい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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