【丸亀市】夏のデザート”ガラスの器入りミルフィーユ”を堪能 店長が10回試作して生まれた新作
丸亀城に近い交差点の角に、街の小さな洋食店「キッチンかぷりす」(丸亀市土居町)があります。店内に入ると、ヨーロッパの田舎にあるレストランに迷い込んだような雰囲気です。メニューが年に3回新しくなると聞いて、涼みたい時にぴったりな夏の新作デザート「クレームドベリーナポレオン」を体験しました。
「きれいに食べられるように」
ブルーベリー、イチゴ、ラスベリーのソースに、マスカルポーネのクリームがたっぷり。食べ進めるとサクサクのパイ生地に行き当たりました。「ミルフィーユ風のデザートをガラス容器に入れて、食べやすくしました」と店長。ミルフィーユを食べる時、お皿にクリームが付いてしまうことが気になっていた店長が、工夫を重ねたデザートです。
脇に添えてあるチョコジェラートとオレンジは、クリームを食べて空いたところに追加して楽しみます。複雑な味を計算して作られているオリジナルデザートです。デザート担当の店長が10回ほども試作して、シェフのオッケーをもらったとのこと。
甘すぎないので年齢や性別を問わず、食べてもらえそうでした。今回は店長のご厚意で、目の前で作っていただき、「レシピができるまで」の話を聞きながら試食を堪能しました。
もう一つの新作は、ティラミスパルフェ。コーヒーゼリーとクラッシュしたチョコクッキー、洋酒で香りづけしたアイスクリームにマスカルポーネのクリームで構成されています。さっぱりした後口を楽しみたい人に、おすすめです。
夏のシーズンに提供されているメニューは、10月末までの限定。その後も材料などの都合で、同じメニューが続くこともあるそうです。
アンティークのカップでお茶を
「実は、このカップは100年以上前のアンティークなんですよ」。店長はガラス棚からカップを取り出して紹介してくれました。リモージュやエインズレイという聞きなれない地名が飛び出したのですが、欧州の洋食器産地だそう。
カップは、コーヒーでも紅茶でも温かい飲み物を注文すると、その日の雰囲気に合わせて店長がセレクトしてくれます。店長は「普段は手頃なカップを使っている若い人にも、緊張せずに使ってほしい」と話していました。歴史を刻んだカップなので、ゆったりした気分を味わいたい時に、ぜひティータイムを過ごしてほしいと思いました。
おしゃべりを楽しみたい人も仕事の合間に立ち寄りたい人も、大歓迎だそうです。好きなカップに出合うまで通ってみるような楽しみ方も、趣がありますね。私は海外を旅するような気分で、立ち寄ってみたいと感じました。
「食べたい料理を食べてほしい」
「キッチンかぷりす」は、午前9時半からパンを中心にしたメニューで営業が始まり、ランチメニューとデザートは午前10時から午後4時半のラストオーダーまで提供されます。「ランチを食べ損ねた人も、安心してください」と店長。注文から15分程度で、どのメニューも出せるようにスタンバイされています。
ランチメニューは、ハンバーグ3種類とスパゲッティ4種類を中心とした洋食です。どの料理も同じ価格(1500円)で提供されていて、その秘密は「値段で選ぶのではなく、本当に食べたいものを食べてほしい」という願いがあるから。
シェフは「うちのハンバーグは、肉汁が出ないんですよ」と教えてくれました。肉汁の旨味を残さず食べてもらうため、つなぎの一部に麩を使っているからです。「つなぎに使うパン粉の3分の1を麩に変えると、肉汁が閉じ込められます。お皿に残るともったいないですよね」。
店内には、メニュー以外にもインテリアなどに計算された秘密がありました。スタッフに話しかけてみたら、面白い話が聞けるかもしれません。店内が混雑していないタイミングなら、雑談も歓迎だそうです。
基本情報
名称 : キッチンかぷりす
住所 : 香川県丸亀市土居町2丁目6−5
アクセス : JR丸亀駅から車で5分程度(駐車場4台)
営業時間 : 午前9時半から午後5時(午後4時半ラストオーダー)
定休日 : 毎週木曜日(年末年始)
電話番号 : 090-9773-6677
公式サイト