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NY原油17日:反落、イランが改めて早期増産に意欲

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油9月限 前日比0.63ドル安

始値 42.18ドル

高値 42.69ドル

安値 41.64ドル

終値 41.87ドル

引き続き過剰供給環境の長期化に対する警戒感が強く、反落した。

アジアタイムから上値の重い展開になるも、前日安値41.35ドルを下抜くまでの勢いはなく、下げ幅は限定された。ただ、ニューヨークタイム入り後にショートカバー(買い戻し)が膨らんだ局面では、改めて戻りを売り込む動きが強まり、上値の重さが再確認されている。需給見通しに大きく修正を迫るような材料がある訳ではないが、過剰供給状態を解消する目処が立たないことが、引き続き原油相場の上値を強力に圧迫している。

イランの石油輸出国機構(OPEC)代表は、イランに対する経済制裁が解除された場合には日量50万バレルの増産に着手し、その結果としてOPECの産油量は過去最高となる日量3,300万バレル水準に達するとの見通しを示した。特にサプライズとなるような数値ではないが、イランが改めて経済制裁解除後の増産意欲を示したことが、原油需給の緩和状態解消は困難との見方を一段とサポートしている。

本日は為替相場がドル高気味に推移したこともあり、素直に戻り売り優勢の展開に。短期的な下げ過ぎ警戒の声も聞かれるが、なお価格低下で需給リバランスを促す必要性が解消されていないことを考慮すれば、戻り売り対応が基本となろう。仮に短期の相場反転があるとすればドル安になるが、足元ではそのドル安圧力も一服している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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