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LINEデビューの子どもが巻き込まれる「不幸の手紙」に注意

鈴木朋子ITジャーナリスト/スマホ安全アドバイザー
LINEで送られてくるチェーンメールの例(筆者作成)

LINEで送られてくるチェーンメール

「このハガキを受け取った人は10人に送らないと不幸が訪れます」--古くはハガキで送られていた「不幸の手紙」は、ケータイやPCの普及により「チェーンメール」へと姿を変えました。そして、イマドキはLINEなどのメッセージアプリで送られています。

この春、スマホデビューしたお子さんが最初に巻き込まれるトラブルが、このチェーンメールかもしれません。自分専用のスマホを持つ理由が「LINEを使いたいから」というお子さんは多く、スマホを手にしてすぐ家族や仲の良い人と「友だち」になってLINEでやり取りを楽しみます。そこに突然、子どもの気持ちを不安にさせるチェーンメールが届くのです。

LINEを始めたばかりということは、それほど「友だち」の数も多くはありません。つまり、親しい間柄の知り合いばかりです。チェーンメールも仲の良い友人から送られてくるケースがほとんどで、それゆえに対応に困ることになります。

チェーンメールには、以下のような種類があります。

・友情を確かめる

「友情があるからこのメッセージを転送しているので、あなたも同じことをしてね。友情がなくなるよ」という文面で、友情を担保に拡散させる

・けがをする、不幸になる

「このメッセージを転送しないと指が1本ずつ切り落とされる。実際に〇〇という人が重体で発見された」などの、古典的な手法で拡散される

・テレビ番組がテストをしている

「このメッセージがどこまで拡散するか、テレビ番組の企画でテストをしているので協力してね」と善意を利用して拡散させる

・LINEが検証をしている

「LINE本社がチェンメの危険性を確かめるため、どこまで回るのか検証中」などのメッセージで拡散させる

他にも様々なチェーンメールがありますが、初めて受け取った子どもが困惑し、友人に送ってしまっても致し方ない面もあります。

親子で相談できる関係性を

こうしたチェーンメールはもちろん「無視」するのが一番です。もしお子さんに相談されたら、こうしたチェーンメールは昔からあること、止めても何も起きないことを教えてあげてください。相手にはやんわりとスタンプで返すか、「親にこういうのは回してはいけないと言われたからごめんね」と説明するとトラブルになりにくいと思います。

チェーンメールは友人同士であっという間に拡散し、すぐに「これはチェーンメールという迷惑なものだ」と理解されます。すると、「今ごろ何も知らないで送ってくるなんてダサい」と途端に形勢が変わります。なので、その友人との関係性にもよるのですが、相手にも「それはチェーンメールというものだから、無視していいんだよ」と早めに伝えてあげてもいいでしょう。

また、こうしたメッセージが送られてきたとき、お子さんが親にすぐ相談する関係性を作っておくことが大切です。お子さんが何もわからずに多数の友人に送ってしまうと、知らないうちに周囲から迷惑がられてしまうかもしれません。チェーンメールに限らず、今どきは様々な迷惑メールが送られてきます。「バトン」と称して自己紹介を回していく遊びも流行ります。常に親子で連携を取って、トラブルのない利用法を一緒に考えていけるといいですね。

ITジャーナリスト/スマホ安全アドバイザー

メーカー系SIerのSEを経て、フリーランスに。SNSが専門で、コンシューマー向け、ビジネス向けともに取材を重ねており、広い視点での執筆を行っている。ITサービス、スマホアプリについての記事も多く手掛ける。子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。

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