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後半戦はダントツの19本塁打で40本塁打に到達!伏兵サルバドール・ペレスが大谷翔平を追い詰める?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
大谷戦選手に続き40本塁打に到達したサルバドール・ペレス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【ペレス選手が2本塁打追加で40本塁打に到達】

 ア・リーグの本塁打王争いに、思わぬ伏兵が出現した。

 これまで大谷翔平選手、ブラディミール・ゲレロJr.選手のデッドヒートになると予想されていたが、MLB及びア・リーグ3位に付けていたロイヤルズのサルバドール・ペレス選手が、現地時間の9月4日に行われたホワイトソックス戦で2本塁打を放ち、大谷選手に次いで今シーズン2人目の40本塁打に到達した。

 この結果、本塁打争いでゲレロJr.選手を抜いて単独2位に躍り出るとともに、トップを走る大谷選手に3本差に迫った(大谷選手もこの日43号本塁打を放っている)。

 シーズン後半戦に入り本塁打を量産し続けるペレス選手が、大谷選手にとってかなり脅威の存在になりそうだ。

【後半戦19本塁打はMLB最多】

 後半戦に入ってからのペレス選手の本塁打攻勢が止まらない。

 この日のホワイトソックス戦を迎えるまで、後半戦だけで17本塁打を放ち、レッズのジョーイ・ボット選手と並びMLB最多を記録していた。

 そして3回の第2打席で2点本塁打を中堅席に運ぶと、続く5回の第3打席でも3点本塁打を放ち、ゲレロJr.選手を抜いて40本塁打に到達した。またこの日の2本塁打で、後半戦だけで3度目の1試合マルチ本塁打となった。

 この日ボット選手は本塁打ゼロに終わったため、シーズン後半戦の本塁打数を19本に伸ばし、MLB単独トップに立っている。

 一方、後半戦の大谷選手は45試合目でようやく10本塁打に到達しており、後半戦の勢いだけを比較すると、45試合で19本塁打を放っているペレス選手が明らかに上回っている。

【捕手のシーズン最多本塁打記録も射程圏に】

 捕手のペレス選手がシーズン40本塁打に到達したのは、2003年のハビアー・ロペス選手以来18年ぶりの快挙だ。またMLB史上でも6人目、8度目の出来事でしかない。

 ちなみに過去の達成者は1953年のロイ・キャンパネラ選手、1970、1972年のジョニー・ベンチ選手、1996年のトッド・ハンドリー選手、1999、2000年のマイクイ・ピアザ選手、2003年のロペス選手──の5人だ。

 捕手によるシーズン最多本塁打記録は、ベンチ選手が1970年に記録した45本。ロイヤルズはまだ28試合を残しており、ペレス選手はこの記録に塗り替える可能性が十分にある。

 また捕手が本塁打王に輝いたのは、同じくベンチ選手が1970、1972年に2度だけ。もし仮にペレス選手が大谷選手を逆転するようなことになれば、40年ぶり史上2人目の快挙も射程圏内に入ってきた。

 いずれにせよペレス選手が加わったことで、3選手による本塁打王争いはさらに熾烈を極めることになりそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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