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<ガンバ大阪>広島戦は、またしても先制した流れを勝ちきれず、ドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J1リーグ22節のサンフレッチェ広島戦は、前半からガンバがボールを握りゴール前を攻め立てる。だが堅い守備を割れない。0−0で迎えた後半もしっかり運動量を示しながら攻守に集中した戦いを見せる中、試合が動いたのは試合終了間際。89分にMF小野瀬康介のシュートのこぼれ球に反応してMF倉田秋が詰め、先制点を奪う。だが、それで試合は終わらない。4分と示されたアディショナルタイム。縦へのクロスボールをFWレアンドロ ペレイラに頭であわされ同点に。そのまま1-1で引き分けた。試合後のガンバ監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

ー前半から自分たちがボールを持つ時間も長くて、広島戦に向けて準備していることがうまく出ているように見えました。どういうところを意識して選手の皆さんに落とし込んできたのでしょうか。

我々が、6月に広島と練習試合をした映像もありましたし、その中での対広島戦で、どういったところでボールを奪いに行くのかスペースをつくのか、というのは今週やってきたところがたくさん出たと思います。ボールを握る展開になった時の、質というのが相手のペナルティエリアにはいったところの工夫が少し足りなくて得点に繋がらなかったと思います。後半の途中まで。なんとかもぎ取った守り切るというか、勝ち切りたかった試合でしたが、ポジティブなところもたくさんあった試合だったと思うので、次にまた見せていきたいと思います。

ー宇佐美選手は前節インサイドハーフで今節はFWで起用しました。特徴が出たところもたくさんあったと思いますが、一方でゴール前にいない時もあったように見えましたが、監督はどう見ていらっしゃいますか。

アデミウソンにしても宇佐美にしても、ゴール前でゴールゲッターというか、ゴールの枠の中に入って行くようなタイプの選手じゃないので、その分、他の選手がスペースをついたりっていうのはありましたけど、そこは前半、確かに人がいなかったなと思います。後半はハーフタイムにみんなで話をした中で、そこにいいボールが入りそうなシーンでは誰かが入っていくことはできたかなと思います。

ー前節に続いて、先制しながらも勝ちきれない試合が続いています。試合の終わらせ方をどう見ていらっしゃいますか。

ディフェンスラインがさがらないように、前からプレッシャーにいくように、っていうことは得点してからも、お互いに声をかけていましたし、ただ、相手が入れてきたボールをもう少しうまく処理できたり、2点目を狙う必要がないシーンで、アドバンテージになりましたけど、あそこで試合を止めるとか、っていうような冷静さが少し、いまチームが欠けているなと思います。そういうところが整理されてきたら、勝ちきれるようになるんじゃないかと思います。

●MF矢島慎也

ゴール前までは侵入できていますし、最後のところで決めるところをやっていかないといけない。最後のゲームの終わらせ方も…そこに尽きるかなと思います。(終わらせ方というところに関しては個々で受け止め方が違うと思いますが、矢島選手はどう思いましたか?)僕は、結構、こういうシーンを経験してきたというか。浦和でも…その時僕は試合に出ていなかったですけど、終盤に追いつかれてとか、岡山時代も最後の最後に追いつかれて、っていう試合が何試合か続いたことがあったので。チームの緩みみたいなものが出ると思うんです。気持ちですね。僕がどうしたらいいか、っていうのがあるとしたら…失点に到るまでのところでどうできたか、もあるんですけど、そこもあの時間帯でホームで点を決めて、おそらく勝ったと思った選手がたくさんいたと思うんです。でも、いい流れがきているな、っていう気の緩みが出てしまったらああいう形になるっていう…目には見えないけど、僕はそこは感じました。それを引き締め直すのもそうだし、そこは僕とか弦太(三浦)とか、センターラインにいる選手で声をかけていきたいです。(後半の途中から矢島選手の両脇のスペースを使われていたように見えましたが、相手がやり方をかえてきたのでしょうか?)守備のやり方が変わったとか、形を変えるのにはわかっていたので対応できていたのですけど、人ですね。人が変わって青山直晃選手が入ってきて、少し向こうも落ち着いたなっていう感じがしました。駿(川辺駿)が前に出てきて、間に入ってこられるのも結構嫌だったし、そこはちょっと空気感が変わったなっていう感じがします。自分が食いつくところの裏にポンとあててシャドーの選手がフリックすることを後半は結構相手がやってきていたので、そこを自分が食いつかずに残るのか、っていうところはまだ改善しなくちゃいけないところだと思います。

●DF三浦弦太

(試合の終わらせ方が残念でした)そうですね。このあいだのヴィッセル神戸戦で悔しい思いをしたので、似たような形で追いつかれるっていう…反省がいかせていないなって思ったし、試合の終わらせ方のところはまたみんなで見直していきたいです。(局面だけじゃなくて、前線の時間の使い方も含めて課題ですか?)そうですね。まずはあの局面をやられないっていうのが一番ですけど、でも、もう少しうまく時間を使ったり、試合をうまく終わらせる、終わらせ方はあったと思うので、そのへんはやられないっていうだけじゃなくて、チームとしてもどうやって試合を終わらせるかっていうところは課題だと思います。(宇佐美選手や井手口選手が入ったりした中でのチームの変化はどうみていましたか?)今日の試合自体は上位の広島に対して、自分たちがやりたいサッカーというか、アグレッシブな守備と押し込んだ攻撃ができた試合だったと思うので。最後追いつかれるシーン以外は割といいゲームができていたなと思うので、だからこそもったいなく感じるし、こういうゲームをどんどんしていけば勝ち点も積み上げていけるかなと思うので、あまり悲観的にならずに、しっかり切り替えていきたいです。

●GK東口順昭

(ゲームの終わらせ方について)もっとはっきりしてやっていければなかった失点だったと思います。でも人数は足りていたので、最後は、個人のところの差だと思うので、失点はもったいないなかったなとは思います。(ただ展開としては自分たちがボールを握って攻撃にかかる時間も多かったと思います)そうですね。展開的には追加点を取れたらよかったですけど、時間帯もそんな時間帯ではなかったし、しっかり守り切るなら守り切るシフトが…どう守るかということだと思うので、そこをもう少し整理してやらなあかんなって思いました。(ホームで、ギリギリのところで先制点を奪った、という勝ちを引き寄せる流れでなかなか勝ちを掴めない。理由はどう感じますか?)これというものがあれば修正しやすいんですけど…なかなかこれというものがわからないから難しいですね。

●MF高江麗央

個人的には久しぶりの先発で、しっかり準備してきたことは出せたのかなと。自分のポジションということでは、秋くん(倉田)と僕が守備の部分でもしっかりスイッチを入れられるように、そこからはめていこうということは思っていて、そこは意思疎通もできてやれていたので続けていきたい。(前半も点を取れればという形までは多く作れました)そうですね。ただ相手もしっかり体を投げ出してきていたので、その部分ではペナルティエリアの人数の少なさだったり、点を奪いに行くということを考えれば人数が少し足りていなかったなと感じました。後半は攻撃の部分で人数をかけていくことはしっかりと、みんなが意識して、狙っていこうという意識があったので。前半よりはできたのかなとは思います。(勝ち点2を逃しました)もったいなかったなっていうのが正直なところです。僕は外に出ていましたけど、アディショナルタイムの終わらせ方というか、こういう展開をどう勝ち点3に繋げるかをまたみんなでやっていきたいです。(個人的にポジティブに考えられる点は?)前半、僕の中でもいい入りができたこと。ただ、その前半の勢いを落とさずに後半ももっとやらなくちゃいけなかったな、と思います。前半はすごくいいアピールができたと思うので…あとは、それを90分続けるためのペース配分だったり、課題だったりを見直してやっていきたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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