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クルードラゴン「エンデバー号」帰還 宇宙飛行士2名が無事に下船

秋山文野サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)
着水するエンデバー号 Credit: NASA/Bill Ingalls

日本時間2020年8月3日午前3時48分、国際宇宙ステーション(ISS)から離脱したスペースXの新型宇宙船クルードラゴン「エンデバー号」は、米フロリダ州ペンサコーラ沖のメキシコ湾海上に予定通り着水した。スペースXの回収船が海上でエンデバー号の船体を保護し回収に成功。ボブ・ベンケン、ダグ・ハーレー宇宙飛行士2名は宇宙船から無事に下船する様子が確認された。

8月2日午前にISSを離脱したエンデバー号は19時間近い帰還フライトの後、大気圏再突入を開始した。宇宙船は最大で摂氏1900度程度の熱に曝されるという。帰還予定地点の上空約5500メートルで減速のためのドローグパラシュート、上空約1800メートルでメインパラシュートが開傘、宇宙船はほぼ予定通りの現地時間2日午後2時48分に着水した。

宇宙船は2隻の高速船で着水後すぐに確認され、主回収船ゴー・ナビゲーター号がエンデバー号を船上に引き上げた。宇宙船は、エンジン周辺で推進剤に含まれる四酸化二窒素濃度の確認などの確認プロセスを行い、日本時間午前5時ごろにハッチオープン。最初にボブ・ベンケン宇宙飛行士、続いてコマンダーのダグ・ハーレー宇宙飛行士が無事な姿を見せた。

2人の宇宙飛行士はヘリコプターで米本土に帰還、宇宙船は船で港まで運ばれる。エンデバー号の機体は、今後数週間かけて機体の状態などを確認し、NASAの要求水準を満たしていると確認されれば、認証プロセスを完了し、JAXAの野口聡一宇宙飛行士らが搭乗する運用段階に入る。

クルードラゴン エンデバー号の着水。出典:NASA TV中継
クルードラゴン エンデバー号の着水。出典:NASA TV中継
着水直後のエンデバー号の船内。宇宙飛行士が腕を動かしている様子が見える。出典:NASA TV中継
着水直後のエンデバー号の船内。宇宙飛行士が腕を動かしている様子が見える。出典:NASA TV中継
着水したエンデバー号の回収開始。出典:NASA TV中継
着水したエンデバー号の回収開始。出典:NASA TV中継
主回収船によるエンデバー号の回収。出典:NASA TV中継
主回収船によるエンデバー号の回収。出典:NASA TV中継
回収と宇宙船ハッチオープンのプロセスはすべて中継された。出典:NASA TV中継
回収と宇宙船ハッチオープンのプロセスはすべて中継された。出典:NASA TV中継
宇宙船のハッチオープン前の手順。推進剤に含まれる有害な物質の濃度確認などが行われた。出典:NASA TV中継
宇宙船のハッチオープン前の手順。推進剤に含まれる有害な物質の濃度確認などが行われた。出典:NASA TV中継
ボブ・ベンケン宇宙飛行士の無事な姿。出典:NASA TV中継
ボブ・ベンケン宇宙飛行士の無事な姿。出典:NASA TV中継
ダグ・ハーレー宇宙飛行士の無事な姿。出典:NASA TV中継
ダグ・ハーレー宇宙飛行士の無事な姿。出典:NASA TV中継
陸上に帰還したダグ・ハーレー宇宙飛行士(中央)。左はスペースXの医療スタッフ、右は宇宙飛行士の健康管理を担うフライトサージャンのジョー・ダーヴェイ氏。Credit: NASA/Bill Ingalls
陸上に帰還したダグ・ハーレー宇宙飛行士(中央)。左はスペースXの医療スタッフ、右は宇宙飛行士の健康管理を担うフライトサージャンのジョー・ダーヴェイ氏。Credit: NASA/Bill Ingalls
サムズアップしてみせたボブ・ベンケン宇宙飛行士(中央)。左はNASA宇宙飛行士室長のパトリック・フォレスター宇宙飛行士、右はフライトサージャンのスティーブ・ハート医師。Credit: NASA/Bill Ingalls
サムズアップしてみせたボブ・ベンケン宇宙飛行士(中央)。左はNASA宇宙飛行士室長のパトリック・フォレスター宇宙飛行士、右はフライトサージャンのスティーブ・ハート医師。Credit: NASA/Bill Ingalls
サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経てサイエンスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。2023年4月より文部科学省 宇宙開発利用部会臨時委員。

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