【河内長野市】無料で学べる!日本遺産の葛城修験とは?30日までふるさと歴史学習館でパネル展示。
一昨日、NHKテレビで河内長野が紹介されました。私としては自分の住んでいる場所が全国的に知られることは誠にうれしい限り。
ところが、偶然居合わせたある人が、このテレビ放映のことを話題にした際に、非常に気になる点があるといいます。それは「日本遺産」というキーワードが、放送中に一言も出てこなかったとのこと。
ここで日本遺産(外部リンク)とは何かですが、ひょっとしたら世界遺産の日本版と思われるかもしれません。実は少しニュアンスが違うそうです。次に定義を引用します。
点としての個々の文化遺産ではなく、面としての複数の文化遺産を、ひとつの物語性(ストーリー)のあるものとして捉えることを重視しています。
すでにご存じだとは思いますが、河内長野市は「中世に出会えるまち」「女人高野(にょにんこうや)」「葛城修験(かつらぎしゅげん)」の3つの日本遺産が登録されています。
では、このうちのひとつ、葛城修験(外部リンク)とは何かですが、これは飛鳥時代に活躍した役行者(えんのぎょうじゃ)が始めた教えで、修験道(しゅげんどう)のひとつです。
修験者(しゅげんしゃ)は、ほら貝を持った山伏の姿で山にこもり、厳しい自然相手に修行を行います。有名なのは奈良県の大峰山。非常に険しい山の奥にある修験道の聖地として、今でも一部の地域(山上ヶ岳)が女人禁制です。
それに対して葛城修験とは、比較的人里に近い和泉山脈と金剛山地に点在している修験道の足跡で、総延長112km。役行者が最初に修行を積んだ場所で、法華経八巻二十八品を、それぞれ経筒に入れて埋納しました。その28の場所を聖地としています。
その途中に河内長野の山々が含まれています。しかし、いくら人里に近いと言っても山の中ですから、簡単にそのスポットには行けません。
そこで、気軽に葛城修験を学べることができるパネル展が行われることを知りました。
場所は道の駅くろまろの郷や大坂花の文化園近くにある河内長野市立ふるさと歴史学習館で、1月30日まで開催とのこと。さっそく行って、ふるさと歴史学習館の方にお話を伺いました。
そもそもなぜ、ふるさと歴史学習館でパネル展を行っているかですが、これは巡回展とのこと。葛城修験にかかわっている自治体は、大阪府、和歌山県、奈良県にまたがっており、各自治体が順番にパネル展を行っているのだそうです。
ちなみに河内長野の次は和歌山県橋本市だとか。
そしてパネル展を開催している、河内長野市立ふるさと歴史学習館そのものについてもお話を伺いました。
この施設は河内長野市内の小学生であれば馴染みの場所。2020年以降はコロナ禍のために中断していますが、それまでは歴史を学ぶ河内長野市内の小学6年生は、学習館で見学をして勾玉づくりにチャレンジするのが恒例でした。
もともとこの場所に、1997(平成9)年、市立ふれあい考古館が完成。主な事業として河内長野市内にある遺跡からの出土遺物を、洗って保存、復元、展示をしていました。
2011(平成23)年に、東中学校の横にあった郷土資料館と合併し、ふるさと歴史学習館(愛称:くろまろ館)になりました。
常設展を見ると、郷土館で展示していたものや市民から寄贈をされたものを展示しています。入口近くの展示は、河内長野で使われていた民芸道具の数々。時代は昭和の頃から始まり、江戸時代や中世、そして古代と遡っていき、幅広い年代の生活道具を見ることができます。
そして、隣のエリアに行けば、ふれあい考古館時代同様に、縄文・古墳時代の出土した甕(かめ)を復元展示。さらに高野街道の宿場町、三日市宿にあった高札などを保存しています。
そのほかスタッフが手作りで、昔の町並みなどのジオラマをつくっているとか。無料なのに本当に見ごたえのある内容です。また館内にはサポーターの方が常駐しており、わからないことがあれば気軽に質問に答えてくれます。
勾玉と石包丁づくり教室も、1グループ12人を上限に開催中。予約なしでも参加できますが、出来れば予約して欲しいとのことです。
複数の日本遺産に登録されていることも驚きですが、地域の郷土文化を収集しているふるさと学習館にて葛城修験を学べることができるまたとないチャンス。そして小学生の頃に訪問した懐かしい学習館に久しぶりに顔を出してはいかがでしょうか?
河内長野市立ふるさと歴史学習館
住所:大阪府河内長野市高向2230-5
電話:0721-64-1560
開館時間:9:00~17:30
定休日:祝日以外の月曜日・祝日の翌日・年末年始
料金:無料
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス、奥河内くろまろの郷バス停から徒歩7分