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NY金1日:反発、株価急落で退避需要発生

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金10月限 前日比7.30ドル高

始値 1,133.80ドル

高値 1,147.30ドル

安値 1,133.80ドル

終値 1,139.80ドル

世界的に株安傾向が強まる中、金市場が退避需要の受け皿になったことを受けて反発した。

アジアタイムから株安を手掛かりに安値是正を進める動きが強まり、じり高の展開になった。米株式相場も大幅続落となっており、ドル安・米金利低下の支援もあって、一時は1,147.30ドルまで値位置を切り上げている。ただ、その後は原油相場急落などを背景とした戻り売り圧力が強まり、上げ幅を削って引けている。

シカゴのボラティリティ指数が前日比+2.97の31.40ドルまで急伸するなど不安定な投資環境が続く中、金相場は下げきれない状況が続いている。世界同時株安の再現に対する警戒感も強く、なお安全資産に対する投資需要が高レベルを維持していることが、金相場をサポートしている。実際に株価が急落すれば8月下旬と同様に改めて売り込まれる可能性が高いと考えているが、その前段階の適度の緊張状態においては、米国債と同様に金が買われ易い地合になる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)までは残り2週間強であり、ここで再び株価急落といった動きが見られると、9月利上げのハードルは著しく高まることになる。ただ、現時点では米実体経済に大きなダメージを与えるような状況にはなく、米利上げ警戒感が金相場の上値を圧迫する展開が維持され易い。

なお強弱感の交錯したボラティリティの高い不安定な相場展開が続き易いが、改めて金価格を本格的に押し上げていくには、1)利上げフレームの破綻、または、2)原油など他商品市況の上昇トレンド転換が要求されることになる。このいずれも困難なことを考慮すれば、ダウントレンドにおける調整局面との評価で十分だろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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