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星野源と新垣結衣が深夜の“奇跡共演”、「辛かったという言葉」と「番組を一緒に観た話」が表していたこと

田辺ユウキ芸能ライター
新垣結衣(写真:2023 TIFF/アフロ)

5月28日深夜、ミュージシャンの星野源がパーソナリティを担当しているラジオ番組『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)に、妻で俳優の新垣結衣が登場。深夜に起きた二人の奇跡的な共演に、SNSではリスナーの歓喜の声が多数あがった。星野源、新垣結衣も「緊張したよね」と言い、星野源は「これはすごいよね」「手がぷるぷる震えた」と語った。

「みなさんこんばんは、新垣結衣です」、なにが起きたか分からなかった登場シーン

深夜1時から始まった同回は、冒頭から星野源が、5月22日に話題となった暴露系インフルエンサーによるSNSでの憶測投稿について口を開いた。

同憶測投稿は、星野源が不倫をしていることを連想させたり、妻・新垣結衣と離婚危機であると思わせたりするような内容。星野源、新垣結衣、星野源が所属する事務所のアミューズは5月23日にそれを否定する声明を出した。

さらに星野源は、この日の放送で改めて「完っ全なデマです」「この噂、憶測に事実は一つもありません」と否定。「本っ当にありえない」「なんでこんなことになってんのっていう」という口調からは、怒りや悔しさがにじんでいることが聴いていてはっきり伝わってきた。

そして番組開始からちょうど10分。星野源が、自分たちのことを信じてくれたファンや関係者に感謝したあと、突然「ありがたかったね」と新垣結衣の声が入り込んできた。星野源から「名前、言いますか?」とうながされて「みなさんこんばんは、新垣結衣です」と自己紹介。まさかの共演に、番組を聴いているこちらは最初、なにが起きているのか状況がつかめなかった。

新垣結衣は続けて、騒動が起きたときは戸惑ったと言い、さらに自分には肉声で発信できる場がないため「事実は一つもありません。安心してもらいたいなと思って」と伝えるために番組出演を決意したと話した。

「本当にもう、こういうことがなければいいな」という願い

印象的だったのは、新垣結衣が「辛かった」と発言したこと。新垣結衣は、誹謗中傷を受けている“源さん”を見ているのが「辛かった」と明かし、こういったことは誰にもふりかかってほしくないと願った。

憶測投稿以前も、一部メディアでは星野源と新垣結衣の関係を危ぶむ内容が報じられたことはあった。さらに今回の憶測投稿以降も、星野源、新垣結衣、アミューズがそれを否定する声明文を出したにもかかわらず、「火のないところに煙は立たない」として疑いの目を向けることをやめないメディアやSNSユーザーがいた。

そういった報道や声がわずかでもある以上、当事者がどれだけ否定しても、憶測投稿のような内容は今後もどこかでくすぶり続けるはず。新垣結衣の「辛かった」という気持ちは、各自が声明文を出したところで解消されたものではなく、今回番組に出るまで心の中に苦しみとしてずっと残っていたことを表していたのではないだろうか。

星野源、新垣結衣は多くの人が知る著名人であり、多忙を極める二人でもある。暮らし方も、二人にとって最適なリズムやスタイルがある。ましてや星野源と新垣結衣は“表現者”。なにかを表現するために、私たちとは異なるリズムやスタイルで生きなければならないときもあるだろう。そういったことを一概にとらえて、メディアが「離婚危機」などに結びつけて報じるのはきわめてナンセンスである。

番組で新垣結衣が「本当にもう、こういうことがなければいいな」と言ったのは、今回の件に限ったものではないのだろう。

『家事ヤロウ!!!』を一緒に観ていた話が“すべて”だった

さらに重みが感じられた番組中のコメントは、新垣結衣の「今後、二人で協力して、生活を粛々と穏やかに過ごしていきたいなと思っていますので」というもの。これは、二人がどれだけ自分たちなりに健やかな生活を送っていても、メディアやSNSのユーザーによる心ない報道や言葉によって、傷つけられたり、壊されたりする可能性があることを言い表しているのではないか。

実際、星野源と新垣結衣が奇跡的な番組共演を果たさなければならなかったほど、追い詰められていたと推察できる。共演は確かに嬉しいが、そう考えると複雑でもある。

憶測投稿が話題になった際、SNSのユーザーがそれに乗じて悪質な意見や誹謗中傷をおこなった。それらを受けて苦しむ星野源の姿を、新垣結衣は近くで見ていたと語った。

そういった苦しみは、現実的な話として「じゃあ二人で乗り越えていこう」でなんとかなるものではない。なにごともなかったはずの二人の生活が、心ない報道や言葉で崩れることもあるはずだ。だからこそ新垣結衣の「今後、二人で協力して、生活を粛々と穏やかに過ごしていきたいなと思っていますので」というコメントは、二人の絆を感じさせるだけではなく、自分たちを守るために必要な言葉でもあった。

番組では星野源が、新垣結衣が出演した5月28日放送のバラエティ番組『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)を一緒に観たことにも触れた。新垣結衣から「源さんの曲がいっぱい流れていましたね」と話を振られると、「すごい流れてたね! びっくりしたし、嬉しかったなあ」「CMに入るところとかさ、ことあるごとに僕の曲をBGMにしてくれてて、嬉しいねえ」と感謝。すると新垣結衣も「嬉しいですねえ」と笑った。

この二人のやりとりが“すべて”であり、憶測や噂が終わった瞬間でもあった。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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