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【河内長野市】南海バス正面フロントの「努力視界」の謎。運転手ではなく外に向けている意外な理由とは?

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

私は連日町歩きをして、河内長野市内などで誰も気づかないようなマニアックなものを探しながら日々紹介していますが、先日私宛にいただいた読者の方のメッセージを見るまで、気づかないものがありました。

千代田周辺を走ってる南海バスのフロントガラス付近に『努力視野』のプレート?が置いてあります。運転手に向けてなら分かるのですが、外向けにおいてあります。謎ですので、もし可能でしたら、調査をお願いします。

千代田駅周辺の南海バスに外に向けた「努力視野」のプレート? いったいどういうことでしょうか。

実際に南海バスを撮影すると、「努力視野」ではなく「努力視界」のようです。漢字から想像すると、バスは大型車で視界が見えない「死角」のようなものが起こりやすいから注意しなさいという風に取れます。

次に「努力視界 南海バス」で調べると、南海バスの松岡さん(外部リンク)のページが出て来ました。この松岡さんとは元トラックの運転手から南海バスの運転手になった方のようですが、今では新人のバス運転手の教官をしている人なのだそうです。

当初千代田駅のルートで「努力視界」のプレートが見つかったとのことなので、千代田駅発着の路線で「新人研修」のルートがあって、その人が運転するバスについているのかなと予測しました。

そこで、研修用のバスを探すために、千代田駅から住宅地(緑ヶ丘北町、荘園町など)に向かうバスを見ていました。ここで驚いたことに研修中のバスどころかすべてのバスに「努力視界」のプレートが付いています。

こちらのバスにもありますね。

念のためバスに乗り込んでみました。いちばん前の席から運転手方向を見ましたが、努力視界は、バスの中からは見えないようです。

では、千代田駅発着路線だけこのような「努力視界」がついているのでしょうか?

ところが、河内長野駅に来て発着するバスを見ると、すべてのバスに「努力視界」と書いています。つまり千代田駅だけではないということ。

ちなみに「努力視界」のプレートは最近のようです。2022年3月まで運行していた石見川行きのバスには「努力視界」のプレートはついていません。

驚いたことに、モックルコミュニティバスにも「努力視界」のプレートが!まあモックルバスの正体は南海バスなので当然なのかもしれませんね。

ますます深まる「努力視界」の謎。こうなるともはや南海バスの人に聞くしかないということで質問しました。次の回答を得ます。

「努力視界」という言葉ですが、バスには死角が多く、安全運行には常に死角を認識し、周囲を確認することが必要不可欠となります。 特に、右折時における事故防止の一環として、乗務員が主体的に常に死角を認識し、周囲を広く確認することをより強く意識づけするため、社内で「努力視界」と称し、安全意識の向上に努めております。
(南海バス株式会社営業部営業課さま)

また、「努力視界」と書いた掲出物をフロントに掲出している理由は、離合する弊社バス乗務員の気付きやすい場所にメッセージを掲出することで、注意喚起を図ることを目的としております。乗務員は、常に他車の動きを見ており、離合するバスも同様となります。より安全・安心な運行に向け、必要なメッセージを乗務員に伝える取り組みの一環として、バスフロント部も活用しております。
(南海バス株式会社営業部営業課さま)

という理由でした。他のバスに対する注意喚起のメッセージだったんですね。町を歩いている人には直接関係ないように感じる「努力視界」のメッセージ。こうやってバスの運転手がいつも安全運転を心がけているんだということを改めて理解できました。

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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