シャープ「AQUOS wish」で1円スマホ競争に参入 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.447
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石川 温の「スマホ業界新聞」
2021/12/11(vol.447)
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《目次》
1.シャープがAQUOS wishで「1円スマホ」に参入
-----上限2万円割引を狙ったスマホばかりで日本の未来は大丈夫なのか
2.auが発売した最強ガラケー「G'z One TYPE-XX」が大バズり
------改めて問いたい「ガラケー」という言葉の意味
3.MVNOのシェアが昨年に比べて3ポイントの低下
-----MNOオンライン専用プラン登場で気になるMVNOの末路
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.シャープがAQUOS wishで「1円スマホ」に参入
-----上限2万円割引を狙ったスマホばかりで日本の未来は大丈夫なのか
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シャープは12月6日、新シリーズ「AQUOS wish」を発表した。筐体に再生プラスティックを使用。背面カメラは一つしか搭載しないなど、シンプルな構成でZ世代をターゲットにしているという。
本体価格は2万円程度を想定。つまり、店頭では1円で売られるのは間違いないだろう。
もはや、日本市場におけるスマートフォンは「1円」でなければ売れない時代に突入しようとしている。
2021年上半期、MM総研の調べでは、XperiaがAndroidスマートフォンにおける出荷台数でシェア1位を獲得したという。その原動力となったのがNTTドコモ向けの「Xperia Ace II」だ。本体価格は2万円程度であり、店頭で1円で売られたことでiPhone SEをしのぐほどの大ヒットとなった。
店頭を見渡せば、Galaxy A22やarrows Weなど1円スマホが当たり前になってきた。シャープがAQUOS sense6、ソニーがXperia 10 IIIなどを投入しているが、もはや4~5万円クラスでも「高い」ということで、キャリアやメーカーとしても本体価格が2万円、割引をかませて1円でなければ売れないという認識なのだろう。
そもそも、キャリアがメーカーが2万円を目指すようになったのは、総務省が電気通信事業法を改正し、「回線契約に紐付く端末割引は2万円程度まで」という設定をしたからに他ならない。総務省としては回線契約と端末割引の完全分離を目指す中、NTTドコモが「3万円を上限に」と主張したにもかかわらず、なぜか総務省が1万円を減額して「2万円」という金額が決められたのであった。
特に根拠があるわけではなく、突然降ってわいてきた「2万円」という設定金額に対して、キャリアやメーカーがこぞって安価なスマートフォンを開発し、結果として、2万円のスマートフォンができ、店頭では1円で売られるようになった。総務省が散々、嫌っていた店頭での「1円販売」は撲滅されるどころから、しぶとく生き残ることになったのだ。
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