HSPと適応障害の「関連性」とは?変化を乗り越える4つのリソースについて解説
こんにちは、精神科医しょうです。
適応障害は環境の変化などが大きなストレスとなり、心身に異常をきたす病です。
「今ある環境に適応しなければ…」とわかってはいても、心と体が追い付かず不安や虚無、非哀を感じふさぎ込んでしまうことがあります。
放置していると、うつ病を患う可能性もありますので、早期の治療が大切です。
適応障害は一般的に、真面目で几帳面な人がなりやすいと言われており、HSPさんの気質とも多く当てはまるように思います。
そこで今回はHSPさんと適応障害との関連性を中心に解説していきたいと思います。
適応障害を患うと…
適応障害を患うと表れる症状としては、不安や気分の落ち込み、イライラ、不眠、動悸、吐き気、ぼんやりしてしまうなどがあります。
しかし、表面上は分からないことも多く、我慢強い人であれば人に気づかれないよう振舞ったりすることもあります。
特にHSPさんは日頃から自分の感情を表に出さない方も多いため、心の病を患っていても周囲に気づかれないことも多いのではないでしょうか。
内心では非常に苦しい状況なのに、状況だけがどんどん悪くなる一方だといずれ限界がきてしまいます。
またHSPさんの中には「つらい」「しんどい」と人に言うことにためらいを感じる方も多いため、普通の人以上にストレスを感じてしまいやすいと言えるでしょう。
まずは、自分がストレスを溜め込みやすい気質を持っているのだということを、日頃から念頭に入れ、どう向き合えば良いのかを考えることが大切です。
苦しい状況を乗り越えるには?
苦しい状況を対処するには2段階の方法を取ることが有効とされています。
①4つのリソースを考える
②変化を受け止める
順番に見ていきましょう。
①4つのリソースを考える
まずは変化をコントロールするために利用できる力について考えてみましょう。
リソースは次の4つとしてまとめることができます。
・状況
「この状況は予期していたことか?」「タイミングは良かったか?」「自分はこの状況をプラスとみるかマイナスとみるか?」など自分自身の見解を評価してみましょう。
・自己
「自分は幸せを感じているか?」「自分は変化に対して立ち向かう方か?圧倒される方か?」
「変化に直面した時、コントロールできると思う方か?」など、自身の内面的な資質を探ってみましょう。
・支援
「必要とする援助を得ることができるか?」「家族や友人からの援助はあるか?」「資金、時間、その他の必要な支援はあるか?」など、どのような支援がどのくらい得られる可能性があるのかを特定してみましょう。
・戦略
「ストレスの処理を行っているか?」「苦難の持つ意味を変えようと試みたことはあるか?」「目の前の課題に対して戦略を変えることができるか?」など、可能な対処戦略を評価する必要があります。
これら4つのリソースを考えることで、現在置かれている苦難や苦悩を理解し、乗り越えていくための計画を立てることができます。
②変化を受け止める
変化を乗り切るための戦略を立て、そのためのリソースを強化し自分に合った方法を選択すると良いでしょう。
主体的に行動することで、現状はマイナスの状況であったとしても、いずれはプラスに変えていくことにつながるハズです。
HSPさんはストレスのサインに気づきましょう!
自分にとって苦手な刺激や許容範囲を超えると、多くの場合において、心身がサインを出してくれているものです。
ストレスを感じ続けると、早くて約2週間で本格的なメンタル不調におちいる可能性もありますので、自分のサインを自覚し対応する力を身につけることで、健康的な状態をキープすることに役立ちます。
そのサインの出どころとしては、行動面、身体面、精神面の3つに分類することができます。
・行動面
ストレスを感じると問題行動を起こしやすくなります。
遅刻や早退が増えたり、攻撃的な態度を取るようになったり、暴飲や暴食を繰り返したりするなどが見られます。
・身体面
動悸や腹痛、頭痛、不眠、過呼吸などの症状が表れることがあります。
女性の方では月経不順の症状が出ることもあるため、いつもと違うと気付くポイントになります。
・精神面
気分の落ち込みやイライラ感、気分のムラ、理由のない不安感などのつらい症状が表れます。
気分がいつまで経っても上がらない場合には、一度医療機関で診察を受けるのも良いかと思います。
ストレスがあると、体のどこかが調子が悪い状況が続く場合があるので、早めにサインに気づくことが大切です。
まとめ
今回はHSPさんの気質から適応障害との関連性を中心に解説してみました。
変化を乗り越えることは、だれでもエネルギーがいることです。
今回紹介したリソースを考え、まずは自分にできることから始めてみましょう。
そして、心身が発するストレスサインに気が付いたら、自分なりの気晴らしや発散方法を試し、それでも改善しない場合は医療機関を受診するのも選択肢の一つではないでしょうか。
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