「セールで9割引」は本当? Amazonプライムデー “高すぎる参考価格”に注意
Amazon.co.jpが年1回、夏に行う「プライムデー」が今年も7月12日にスタートしました。13日23時39分までの 48時間限定のセールです。
今年はAppleの「AirPods」などの高額商品が大幅に割引きされたことが話題になるなど、通常より“おトク”に商品が購入できるチャンスでもあります。
セールの際に誰もが気になるのは割引率でしょう。Amazonは「参考価格」として、セール前の商品価格を表示しており、セール時にどれぐらい割引されているのかを知ることができます。
しかし、この参考価格が「あり得ないぐらい高い商品がある」と話題になっています。
自撮り棒「通常2万円」が「1999円」に?
例えば、セールで「1999円」で販売されていた、ある自撮り棒。通常価格が「18888円」とセール価格の10倍近くに設定されていましたが、機能は2000円前後の他社製品と大差なく、2万円近い価値があるようには思えません。ただ、Amazonのレビュー評価は「★4」と高めです。
そこで、この製品の出品者を、やらせ評価を検証するサイト「サクラチェッカー」で確認したところ、「危険度95%」との判定。不正レビューの可能性が極めて高いという判定でした。
また、Amazonの商品の価格の変遷を確認できるChrome拡張「Keepa」によると、この商品は、過去3カ月にわたって「18000~19999円」で販売されていますが、タイムセールのタイミングで何度も「1999円」になっていたことが分かりました。
通常は2万円前後の超高額で出品しておき、セール時の割引率を高く設定。セール中に大量に売る、という手法なのかもしれません。
その手法が効いたのか、この商品は13日、Amazonの自撮り棒売上ランキング1位に。価格は“通常”の「19999円」に戻っています。
価格推移をチェックできる「Keepa」に業者が対策?
先ほど紹介したKeepaは、Amazonでの価格推移を数ヶ月にわたって確認できるため、「セール前に価格を釣り上げておいて、セール時に下げて割引率を高く見せる」といった商品を見抜くのにも利用できる便利なツールです。
一方で、悪質な出品業者は、既に“対策”している、というツイートが話題になりました。以下のようなものです。
「通常価格を高めに設定し、セール期間外は上乗せ分をクーポンで割引。セール期間中はクーポンを削除し、クーポンで割引かれた価格と同じ“セール価格”で販売する」というものです。
確かに、筆者も最近、Amazonで買い物する際、割引額が妙に高い「クーポン」を見るなあ、とは感じていました。
セール中こそ冷静な判断を
期間限定のセールでは、消費者側も「今買わなくては!」と焦ってしまい、冷静な判断が難しくなります。プライムデーのように、事前に期間が分かっているセールならば、欲しいものと、その商品の通常時の相場、出品メーカーの評判などを事前にチェックしておくこともできます。
デジタルガジェットや家電製品ならば、ヨドバシ.comやビックカメラ.comといった家電量販店のサイトで、同程度の機能の商品を検索すれば、だいたいの相場をつかむこともできます。
「割引率が高いから」という理由で即購入すると、結果的に割高な製品を買うことにもなりかねません。セール期間中こそ焦らず、セール価格でなくても欲しいと思えるものだけを買うといった冷静さが重要になりそうです。