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混雑とは無縁!「ひとり旅で訪ねたい穴場の温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

気温がグッと下がり、いよいよ温泉シーズンの到来だ。秋の旅の予定は決まっているだろうか?

全国津々浦々に温泉は湧くが、目的地を決めるのは意外と難しい。特にひとり旅の場合、観光客の多い温泉地を選んでしまうと、疎外感や孤独を感じてしまうことも…。しかも、近年は温泉地にもインバウンドの波が押し寄せ、「温泉でゆっくりする」という目的を果たせない事態もあり得る。

そこで、ひとりでの温泉旅(ソロ温泉)では、外国人観光客はもちろん、日本人にもまだあまり気づかれていない「穴場」を目指したい。

今回は、筆者がこれまで巡ってきた3900湯の中から「ひとり旅で訪ねたい穴場の温泉地」を5カ所紹介しよう。

肘折温泉(山形県)

山形県の銀山温泉では予約が困難なくらい外国人観光客が殺到しているが、比較的近いエリアに湧く肘折温泉は伝統的な湯治場で、まだ外国人観光客にバレていない。レトロな温泉街は、車がすれ違うのも困難な細い通りに旅館や商店がびっしりと連なる。昔からの街並みがそのまま保存されている証拠だ。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつで、浴衣姿で買い物をする湯治客の姿も見られる。小規模な宿が多く、ひとり客でも予約をとりやすいのが魅力だ。

湯宿温泉(群馬県)

新潟との県境の三国峠の手前にある小さな温泉地。同県内の草津温泉や伊香保温泉のような喧騒とは無縁だ。歓楽要素はなく、共同浴場や湯治宿が並ぶ静かな温泉地で、「寂れている」と受け取る人もいるかもしれないが、「鄙びている」と受け取るほうが正解。熱狂的なファンをもつ、つげ義春の『ゲンセンカン主人』の舞台となった温泉地でもある。ただただ湯の街の情緒を味わい、温泉につかる…そんな温泉中心のひとり旅におすすめ。ひとり旅歓迎の宿「金田屋」など、ソロ客にもやさしい宿が多い。

角間温泉(長野県)

渋・湯田中エリアは10以上の温泉地がひしめく一大温泉郷。渋温泉や湯田中温泉が人気だが、ひとり静かな時間を過ごすなら、角間温泉がおすすめ。小さな宿が寄り添うように立つ静かな温泉地で、歓楽的要素は何もないが、木造の旅館や共同浴場など旅情を誘う空間が魅力。みんなでワイワイと楽しむのには向かないが、1人、2人で非日常の時間を感じるには最適の温泉地だ。各宿の浴場のほか、宿泊客限定で3つの共同浴場を利用できる。温泉三昧にはもっていこいだ。

美又温泉(島根県)

山陰地方にはひとり旅が似合う鄙びた温泉地が多い。温泉津、三朝、有福などもよいが、江戸時代に開湯した山あいの静かな出湯、美又温泉を勧めたい。全国的な知名度は高くはないが、「日本屈指の美肌・美人の湯」と称されるように、特徴的な泉質が自慢。実際トロトロ、スベスベとした肌触りの湯は他の温泉地ではなかなか経験できない。昭和を感じさせる街並みや旅館も魅力で、ひとりノスタルジーな気分に浸るのも悪くない。

長湯温泉(大分県)

里山の風景が和む温泉地。外国人観光客が多く訪れる別府や由布院などと比べて、静かな環境が魅力だ。炭酸泉という貴重な泉質が湧くだけでなく、温泉施設はいずれも源泉かけ流しである。小規模や湯治客用の宿も多いので、ひとりでも予約のハードルは低く、ゆっくり時間を過ごすことができる。比較的なリーズナブルな宿もあるため、連泊して湯治に励むのも良し。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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