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ウクライナ製軍事ドローン「R18」でロシア軍の戦車を爆破

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

トルコ製の攻撃ドローン「バイラクタルTB2」だけでなく

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では主にトルコ製の攻撃ドローン「バイラクタルTB2」がロシア軍の装甲車を上空から破壊して侵攻を阻止したり、黒海にいたロシア海軍の巡視船2隻をスネーク島付近で爆破したり、ロシア軍の弾薬貯蔵庫を爆破したり、ロシア軍のヘリコプター「Mi-8」を爆破したりとウクライナ軍の防衛に大きく貢献している。ウクライナ軍が上空からの攻撃に多く利用しているトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」はロシア軍侵攻阻止の代名詞のようになっており、歌にもなってウクライナ市民を鼓舞している。

このようにウクライナ軍での攻撃ドローンによるロシア軍への攻撃は「バイラクタルTB2」ばかりが目立っているが、ウクライナ軍のドローン部隊「エアロロズヴィドカ (Aerorozvidka)」はウクライナ製の攻撃ドローン「R18」を使って、ロシア軍の歩兵戦闘車「BMP」を破壊した。その動画もSNSで公開して世界中にアピールしている。ウクライナの軍事ドローン「R18」がロシア軍に攻撃してロシア軍の装甲車などを爆破したのは今回が初めてではない。

「バイラクタルTB2」のようなコストのかかりそうな大型ドローンではなく、小型ドローンに爆弾を搭載して上空から落下させている。「R18」による攻撃がどの程度の殺傷力かは搭載している爆弾によって異なるので、今回の攻撃での殺傷力は不明。だが完全に殺害できなくとも、負傷したり大怪我する方が介護が必要になり、軍にとっては足手まといになってしまうので、軍事ドローンによる攻撃の効果は大きい。

ウクライナ製軍事ドローン「R18」(ウクライナ軍提供)
ウクライナ製軍事ドローン「R18」(ウクライナ軍提供)

ウクライナ製軍事ドローン「R18」(ウクライナ軍提供)
ウクライナ製軍事ドローン「R18」(ウクライナ軍提供)

両軍ともに攻撃や監視・偵察に多くのドローンを活用しているが、ドローンは上空で撃破されたり、機能不全にされている。監視・偵察ドローンのような小型ドローンでも察知したらすぐに爆破したり、機能不全にしないと、自軍の場所がすぐに敵にばれてしまい、すぐに大規模なミサイル攻撃をされてしまう恐れがある。

ウクライナ軍は各国に武器の提供も呼びかけている。そしてウクライナ軍では「バイラクタルTB2」だけでなく、ウクライナで開発した軍事ドローン「PD-1」また米国バイデン政権が提供した米国エアロバイロンメント社が開発している攻撃ドローン「スイッチブレード」でロシア軍の装甲車や弾薬庫などを上空から破壊している。さらに米国は攻撃ドローン「フェニックス・ゴースト」も提供する。イギリスもウクライナ軍に攻撃用ドローンを提供している。またロシア軍もロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」でウクライナへ攻撃を行っている。

▼ウクライナの軍事ドローン「R18」解説動画

▼今回だけでなくウクライナの軍事ドローン「R18」はロシア軍攻撃に貢献

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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