JYJのユチョンに続いて俳優イ・ミンホも就くことになった社会服務要員という名の“兵役”
韓国メディアが昨日5月19日に伝えたところによると、人気俳優のイ・ミンホが「公益勤務要員(現・社会服務要員)」の判定を受けたそうだ。所属事務所が発表した。
イ・ミンホは、日本のドラマ『花より男子』のリメイク韓国版で一躍、トップスターの仲間入りを果たし、その後も主演したドラマや映画が立て続けにヒット。今や“アジアのスター”と呼ばれる俳優だが、イ・ミンホが判定を受けたという「社会服務要員」も“兵役”のひとつだ。
前回のコラムでも紹介したが、韓国では成人男子に約2年間の兵役が課せられており、徴兵検査によって、1級〜7級に分けられる。検査は、心理検査や身体検査を受けて、その人が兵役につける健康状態にあるかどうかの判定が下される。本格的な専門医による検査もあるそうだ。
その検査で1〜3級は精神的・肉体的に「問題なし」ということで現役兵に。東方神起のユンホやJYJのジェジュンは1級〜3級の判定を受けて現役兵として兵役についたわけだが、4級判定を受けると「補充役」となる。
(参考記事:まるっとわかる韓国の兵役/徴兵制は韓国男児の義務!)
この判定を受けるのは、軍隊生活を送ることが困難な障害や怪我を持つ人、もしくは家庭事情で家族を養う必要のある者などだ。ちなみに5級は「第2国民役」、6級は兵役免除、7級は再検査判定といった具合だ。
報道によると、今回、イ・ミンホは10年前に同僚でこれまた人気俳優のチョン・イルと出掛けた旅行中に交通事故に遭い、その後遺症によって4級判定を受けたらしい。イ・ミンホは被害車両のほうで、加害車両の運転手と同乗者は死亡。イ・ミンホも入院生活を余儀なくされた。この事故でイ・ミンホで脚に大怪我を負ったという。
その後もドラマや映画の撮影が続き十分な治療とリハビリを受けられなかったこともあって、身体検査の結果、4級判定を受け「社会服務要員」として兵役に務めることになったらしい。ただ、事務所関係者によると、今すぐというわけではなく、現時点では入隊時期は未定だという。
では、社会服務要員としてイ・ミンホは何をするのか。わかりやすい例が昨年8月から社会服務員要員として兵役を務めるJYJのユチョンだろう。生まれながらの喘息持ちであるユチョンは、身体検査で4級判定を受け、社会服務要員として現在はソウル市の江南(カンナム)区庁に務めている。そう。あの『カンナム・スタイル』の江南だ。ユチョンは江南区庁の災難安全課に勤務しているそうだ。
(参考記事:社会服務要員として兵役を務めるユチョンは今、どこで何をしている?)
つまり、社会服務要員とは、国家機関、地方自治団体、公共団体、社会福祉施設で社会サービス業務や行政業務などに従事することで、それが兵役と見なされるわけだ。
ただ、補充役とはいえ新兵である以上、4〜5週間の基礎軍事訓練は受なければならない。この基礎軍事訓練が「かなりキツい」ということは以前もお伝えしたが、その内容は凄い。
軍隊式の立ち方・座り方・歩き方などを叩き込まれる制式訓練、機関銃などの扱いを身につける射撃訓練、銃装備での40km行軍などが主な内容で、訓練期間中はタバコも吸えないほど過酷なものだとか。アイドルや人気俳優が重たい銃を担ぎながら、上官の命令に従って何度も立ったり伏せたりする姿を想像するだけでも、胸が痛くなるファンもいることだろう。
もっとも、基礎軍事訓練を終えたあとは、比較的自由な日々が待っている。というのも、社会服務要員は自宅からの通勤も可能で、一般兵のように兵舎での団体生活のもと、四六時中、厳しい上下関係にさらされるわけでもない。勤務は週5日。まさに“自宅から通える通勤兵役”なのである。
ただ、兵役期間中だけに営利活動はご法度。『カンナム・スタイル』の大ヒットで世界中で有名になったPSYも、かつて社会服務要員(当時は公益勤務要員)だった2003〜2005年に公演出演やアルバムを発表して2007年に現役兵として再入隊を命じられた。社会服務要員の月給は配属先によって異なるが、一般的に1カ月11万ウォン〜14万ウォン(約1万1000円~1万4000円)とされているだけに、勤務中は貯金を食いつぶしかないということにもなる。
もっとも、それでも一般兵として兵役を務めるよりも、精神的にも肉体的にも負担がないと言われる社会服務要員。ちなみに過去には、ソ・ジソプ、カン・ドンウォン、SHINHWAのエリックなども社会服務要員を務めている。彼らの配属先はファンたちに知られ、熱狂的なファンがわざわざ差し入れなどを持って駆けつけることもあるという。
時期は未定ながらいずれ社会服務要員として兵役を務めることになったイ・ミンホ。もしかしたら先輩俳優やユチョンに、すでにその生活についてアドバイスを求めているかもしれない。