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2014年ツール・ド・フランス第17ステージ おうちに着くまでがツールです

宮本あさか自転車ロードレースジャーナリスト
山岳王ジャージで山頂一等賞のラファ・マイカ。photo:jeep.vidon

この日はとくに度を越していた、と思う。2時間で走行距離7km。ひどい渋滞だった。

ツール・ド・フランスは198台の自転車と共に走り出すが、周囲にはその何倍もの自動車が走っている。

正式に大会側から帯同を認められた4500人の関係者が、四輪車や二輪車で連日移動する。すべての帯同車両には、開催委員会から与えられた数字入りステッカーが貼られ、管理される。

残念ながら正確な数字は発表されていないので(発表したらエコロジー団体がビックリするからに違いない)、分かる部分だけを列記して見ると:

・チーム関係

全22チームがレース内2台、補給その他2台、バス1台、メカニックトラック1台、

その他、チームによってキッチン車1台、プレスオフィサー用1台、招待客用1~2台、キャンピングカー1台

・医療班

レース内ドクターカー2台、バイク1台、救急車7台、レントゲン車1台

・インレース車両(審判団車両を含む、チーム&医療判は含まず)

自動車25台前後、オートバイ90台前後

・警察

レース全日程帯同が白バイ47台、移動用バンが十数台

その他、各ステージごとに地元警察隊が出動

・広告キャラバン

キャラバンカー180台

その他、招待客用の車やマーケティングスタッフ用の移動車等々

・メディア

約600メディア(記者・写真家数は2000人)が最低1台は自動車・オートバイを使用

1メディア1台のところもあれば、テレビやラジオのように1メディアで数台必須のメディアもあり(中継車やレース内オートバイ等々、メイン放送局フランステレヴィジョンはキッチン車やメディカル車も連れてきている)

・その他開催関係車両

スタート・ゴール・ヴィラージュ・沿道のフェンス設置用のトラック、開催スタッフの移動車、VIP送迎用バス、コメンタリーブース・記者会見場・表彰台などの運搬車、移動郵便局、etc.....

つまり膨大な数の自動車が、山頂フィニッシュの日には、ばらばらに山に上って、ほぼ一斉に山から下るのだから、夕方は恐ろしい渋滞が発生する。そこに観客たちの車も加わって……。もちろん開催委員会や警察は、関係車両の速やかな撤収のために、働いてくれるのだけど……。

残念ながら山の道は細く、抜け道はなく、どうしても渋滞は発生する。それにしても、今回は、ホテルに着くまでが長かった。ホテルのレストランも閉まっていて、久しぶりに夕食抜きの夜を過ごした(お菓子を食べた)。

途中で、山道から転がり落ちた自動車を見なかっただけでも、幸いといおうか。

山道に連なる白い点は、すべて自動車。photo:jeep.vidon
山道に連なる白い点は、すべて自動車。photo:jeep.vidon
自転車ロードレースジャーナリスト

フランス・パリを拠点に、サイクルロードレース(自転車競技)を中心とした取材活動を行っている。「CICLISSIMO」「サイクルスポーツ」誌(八重洲出版)、サイクルスポーツ.jp、J SPORTSサイクルロードレースWeb等々にレースレポートやインタビュー記事を寄稿。

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