宇佐美が2発! ガンバ大阪が今季、ホームでのリーグ戦で初勝利。
ガンバ大阪が、ホームに名古屋グランパスを迎えての一戦。前半終了間際にFW宇佐美貴史のゴールで先制すると、後半立ち上がりにも再びFW宇佐美がゴール。その後、名古屋のFW永井謙佑に1点を返されたものの、最後は今季初先発のDF今野泰幸の今季初ゴールで突き放し、3−1と勝利した。試合後の両監督、ガンバ大阪選手のコメントをお届けする。
●名古屋グランパス/西野朗監督
やられた感はそんなに強くは感じていない。やはり要所要所というか、決める選手が決めればこうなるのかなと思います。いまのガンバはポゼッションサッカーというよりは、堅守速攻型だと思います。前半はそういうポゼッションに対してなんとかしのいで逆にボールを動かされても、その中でディフェンスを仕掛ける、と。うまく対応はしていたと思いますし、逆にカウンターを仕掛けられるチャンスも前半はあったと思います。じゃあ、何が違うかと言えばアタッキングサードでのイマジネーションとか、攻撃のオプションがどうしてもない。迫力の差が、あの1点がそこにあったと思います。
後半出ていこうということで、そこでカウンターを受けたり、3点目もしかりですが、自分たちで自滅してカウンターをうけた。警戒していたところを自分たちが与えてしまったという流れだと思います。途中少しリズムをとりかけた時間帯もありましたが、非常にワンプレーワンプレーが雑な、相変わらずな、スピードがあがらないと特にこういうピッチコンディションでは、うちにとって苦手なサッカーにならざるを得なかった。結果的には納得しなければいけない結果だと思っています。
ー前半最後に失点をしたことで、ゲームプランを変えざるをえなくなった部分もありましたか?
あの時間帯にとられたということと、ああいう形でとられたことで…いつになく全体が沈んでいましたね。それを立ち上げるのが…悪くない流れと思いながら、ゲームプランとしては悪くない内容だったので、あの失点が非常にダメージを感じました。やっぱり出れる、チャンスがある、ひっくり返せる状況ということは最後に、それが少し前目に出た瞬間の、特に15分はケアして入れということだったのですが、ほぼひいていましたね。あの1点が重かったと思います。前に出て行こうという意識というか、オフェンシブに積極的にチャレンジのボールなのかクロスボールなのか、そういうことで打開してガンバの最終ラインにもっと圧力をかけないといけない。いろんなチャンスは落ちているからこそ、そのボールや動きをつけていかなければいけない。あの失点が全てだったと思います。
ーハーフタイムに球際に関する指示をされていましたが、試合を通して要所要所、劣勢だったように見えましたが。
特にガンバのサイドで3:3の状況とか、4:3の状況とか、4:4の状況という…最後の失点もそうですがいいDFからポゼッションに入れば、ポゼッッションをさせならディフェンスができる。サイドに追い込みながら、球際だとか、ファーストディフェンダーがいけなかったり、崩されているというシーンが少しずつふえてきたので。ガンバがそれ以上にボールの動かし方が巧みだし、このピッチなので、おさまったボールへのディフェンスではなく、コントロールした瞬間、ボールが動いた瞬間を少しずつ狙って行かないと、宇佐美の足におさまったボールを奪いにいくのはなかなか難しいところ。そういう瞬間をもっと狙っていかないとミスも起きないですしね。前半の失点のシーンが非常にそういう場面から出たので強調しましたが、彼らは本当に1メートル寄せても、ヘッドアップしてプレーできる選手なので。いままで寄せてとれたボールも、より、よせていかないととれないと思うということは強調しました。
●ガンバ大阪/長谷川健太監督
雨の中たくさんのサポーターがきてくれて、ホームで初勝利をプレゼントできたということで、選手が本当に90分間よく戦ってくれた。。名古屋も相当気持ちが入って、かなり難しい試合を予想していました。前半から攻撃の形はよかったが、なかなか最後の精度がなくて、得点をとれなかったのですが、ロスタイムに貴史のゴールに…なったみたいですが、左サイドで巧く崩して、いいシュートが相手ゴールに入って、展開的には東京戦と同じような感じで2点目もいい崩しで追加点をとることができた。
そのあと、失点した少し前くらい、やはり相手に押し込まれる時間帯というか、それも自分たちのミスから相手に付け入る隙を与えてしまったのは反省材料だと思います。ただ、失点の後、気持ちと頭を切り替えてきちっと3点目をとれたのは開幕戦の反省をいかして勝ち切ったのは、選手たちがよく戦ってくれたと思っています。ホームでまず1勝できた。これでようやくスタートをきれる。明日の朝、ACLのタイに向けて出発しますが、けが人も何人か出ていますから、チームも総力をあげて力をあわせてここからのアウェイ2連戦をきちっと戦っていきたいと思っています。
ー宇佐美選手の2ゴールも含め、代表から入った選手の評価を。
藤春にしても、宇佐美にしても今野にしても、代表らしいプレーをしてくれた。藤春も今までにないようなサイドからの崩しをみせてくれたし、今ちゃんも90分間、無事に終えてくれた。得点はおまけというか、よくとってくれましたが、我々としては最後疲れている状況の中でもきちっとプレーをして、90分間やってくれたことがチームにとって大きいなと思います。
●ガンバ大阪選手
●DF今野泰幸
(まず90分しっかり戦えたことが一番の収穫だと思いますが)出るつもりでいましたが、最後は少しキツかったですね。これが試合に出ていなかったからなのか、今日がキツい試合だったのか分からないですが、最後は少しキツかったです。(2−1になって少し慌てたシーンもありました)かなり慌てましたね。失点をするような感じではなかったんだけど、あの時間帯、なんかミスが続いたし、結構押し込まれてもいたから、いやな雰囲気だなと思った時にチョンと突っつかれて失点してしまったので。2−1になったので正直慌てました。あそこ少し集中力が切れていたし、本当ならああいう場面を作らせないで3点目を取りたかった。
ーそういう意味でも今野選手のゴールは大きかったですね。
大きかったと思います。2−1だと何が起きるか分からないし、今日は絶対に勝ちたい相手だし、2点先にとったからこそ、絶対に勝ち点3を持ち帰らないといけない試合だったので。3点目獲れてすごく大きかったと思います。
ー今年、シュートを積極的に打っていきたいと話していましたが、それを最初に先発で出た試合で出せたのは大きかったのでは?
そうですね。意識の問題ですね。やっぱり。ゴール前にこぼれ球を狙いにいけばこぼれてくるし、去年はいかなかったところも、今年は結構長い距離も少し…スプリントじゃないんだけど、早いスピードで押し上げる事も意識しているので。だからもう1回くらいシュートチャンスがあったけど…結果、パスを選んだけど今年はそういうプレーを増やしていきたいです。(縦パスも精度が高く入っていましたが)縦パスに関しては前から意識している事だし、縦パスをいれて攻撃のスイッチをいれるのは僕のウリでもあるのでそれは今まで通り続けていきたい。
ー代表から帰って来て何か自分の中で変化はありましたか?監督も見に来ていましたが。
見に来ているのは知っていたし、どうしても耳に入ってくるので。監督の戦術というか、サッカー感というのを多少はやらなくちゃっていう気持ちにさせられるし、こういう試合でもすごいやりたいって想いもあるしチームの戦術もあるし…だから難しいですけど、でもやれることはやっていかないと、代表にも残っていけないと思うので。
●FW宇佐美貴史
ー立ち上がりからかなりゴールの意識が高く入った試合でした。
前半のしょっぱなですよね。ゴールは常に意識していますし、ピッチの状態も踏まえた上でひとつめのチャンスを、決定機を作れたことで、チームとしても勢いが出るし個人としてもうまく試合に入れたのかなとは思います。最初だったのでまず1発シュートを打つというのと、スリッピーなピッチも頭に入れていて。パトが中に走っていったので、こぼれ球に対して反応できるというのも全て踏まえて打ちました。自分の一発で決まっていたらベストですけどパトが詰めて打ったとしてもある種、イメージ通りだったんですけど、序盤から意欲的にゴールは狙っていました。
ー前線からボールを奪う意識も高かったように思います。
代表にいって更にすごくいい意味でうるさく言われていた中で…それ以上にガンバで、それ以上に健太さんにもずっと言われてきたことでもあったので、いい感じではめられる部分もあり、ボールを奪えるところもあり、そこから得点に繋げる事ができれば尚よかったですけど、そこはまだまだ課題かなと思います。
−1点目のゴールはクロスではなくシュート?
いや…ぼかしておきます(笑)。コースにうまくはいりながらっていうのは思っていましたけど相手のミスも重なってのことなので。ただコースには入っていたので自分のゴールだとは思います。
ー2点目フリーだったと思いますが、フリーになるためにしていた動きというのは?
本当にあれはチームとしての構築もよかったので、個人として良かったというのはいるべきところにいたというくらいで…でもそういう部分が自分には足りないところだったし、今シーズンが始まる前に、1タッチ、2タッチでのゴールを増やしていきたいと思っていた中でそういうのが早速でたので、殆どヨネくん(米倉恒貴)のゴールだと僕自身は思っていますけど、ああいうところにいてワンタッチで流し込めるとかそういう得点が増えてきたら、いろんな得点パターンもふえてくるし、手応えとしてはあると思います。
ー去年の名古屋戦では決められなかった中で、今日は西野監督の前で2ゴールでした。
恩返しをするとしたら、今日みたいなところで結果を示す事しかないですし、一番最初に影響を与えてくれた監督なので、万博で負ける訳にはいかなかったし、万博で勝って、獲って、喜んでくれる…ことは、名古屋が負けたのでないと思いますけど。でも、そういう恩返しは自分の中ではしたかったのでよかったです。
●DF岩下敬輔選手
ー失点した時間帯だけ少し慌てたように見えました。
そうですね。さっきも試合が終わって監督とも話しましたが、あの時間帯、すごくミスが多かったし2点目をとって、なんとなく余裕が…逆につなぎとかの部分で積極性をなくして、ただただ時間を使うような回しになったことで、相手にインターセプトをされたりっていう機会が増えたのに繋がったので、それが失点にも繋がったのかなと思います。ただ、守備の部分でサイドからのクロスの対応はしっかり跳ね返そうといっていたので、それはしっかりやれたのは良かったです。またあそこで追いつかれずに…FC東京戦の経験があったからこそ、もう1点という風になれたので、今ちゃん(今野泰幸)がしっかりとってくれたのは良かったし、チームとして獲ってほしい人が獲ってくれたのも良かった。
ー永井選手のスピードとか相手の良さを出させない守備はできたように思います。
そこは本当にハルがケアしながらやっていましたし、ただ裏をケアし過ぎてディフェンスラインがさがるのは一番怖かったので、そこはコーチングをしながら、僕や丹羽ちゃんやヒガシ(東口順昭)とかが裏のカバーをしっかりできたのかなとは思いますので、そこは本当にいい関係で4人で巧く守れたように思います。
ー最後までシュートで終わるシーンが多かった事からもチーム、個人としてコンディションもあがってきたように思いますが。
いいときはあそこで4点目、5点目と獲れていたのが勝ち続けていたときのガンバだと思うので、今日は勝ちましたが、そういうことも求めていけるようにより高いところを目指してやっていきたい。
ー決定機の数も増えてきて攻撃に迫力が出て来たように思いますが。
ディフェンスはやり方かえずにやっているなかで、攻撃のところはどんどんあがっていくと思っていたし、そこの時間帯で踏ん張れるかどうかで落としてきた勝ち点があったので、そこは修正できたところだと思うし、ただチャンスでもっと決めきれればもっと楽な展開になったのかな、とは思います。