イスラエルがシリアにあるシーア派聖地近くを爆撃し、女性1人を含む3人が死亡、学校が被害を受ける
シリアの国防省は6月27日午前0時29分、フェイスブックの公式アカウントを通じて声明を出し、26日午後11時40分頃、イスラエル軍が占領下ゴラン高原方面から、南部地区の複数ヵ所を狙って爆撃(ミサイル攻撃)を行い、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、一部を撃破したものの、軍関係者2人が死亡、1人が負傷、若干の物的損害が生じたと発表した。
英国で活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、シリアに対するイスラエル軍の攻撃は、6月に入って5回目、今年に入って48回目、うち35回が航空攻撃、13回が地上攻撃である。
同監視団によると、今回の爆撃で、ダマスカス郊外県にあるイスラーム教シーア派(12イマーム派)の聖地の一つサイイダ・ザイナブ・モスク(廟)から700メートルしか離れていないレバノンのヒズブッラーの建設ジハード機構のサービス・センターの車輛集結拠点などが標的となり、アレッポ県ヌッブル市(12イマーム派の住民が多い)出身の高齢の女性1人、ヒズブッラーとともに活動するシリア人1人と外国人1人の計3人が死亡、11人が負傷、複数の車両が破壊された。また、シリア軍防空部隊が発射した地対空ミサイルの破片が落下し、民間人複数人が頭を負傷したという。
一方、シリアの教育省は6月27日に声明を出し、イスラエル軍の爆撃で、ダマスカス郊外県のフジャイラ村にあるクナイトラ県教育局が所轄する学校2ヵ所、殉教者ファイサル・ムハンマド第1学校、殉教者アブドゥッラフマーン・フーダ学校のドア、窓ガラス、家具が損害を受けたと発表、写真を公開した。
シリア人権監視団によると、2024年にイスラエルがシリアに対して行った48回の攻撃で、97あまりの標的が破壊され、軍関係者174人が死亡、80人が負傷した。
軍関係者の死者内訳は以下の通りである。
- イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):23人
- ヒズブッラーのメンバー:40人
- イラク人:15人
- 「イランの民兵」のシリア人メンバー:44人
- 「イランの民兵」の外国人メンバー:11人
- シリア軍将兵:41人
また、民間人も14人(女性3人と子供1人を含む)が死亡、32人あまりが負傷しているという。
攻撃の県別内訳は以下の通りである。
- ダマスカス県、ダマスカス郊外県:19回
- ダルアー県:14回
- ヒムス県:7回
- クナイトラ県:5回
- タルトゥース県:2回
- ダイル・ザウル県:1回
- アレッポ県:2回