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NY原油16日:米原油在庫減少で、期近限月が急伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比2.56ドル高

始値 45.16ドル

高値 47.35ドル

安値 44.82ドル

終値 47.15ドル

米原油在庫の減少を手掛かりに、期近主導で急伸した。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りに対する警戒感もあり、売りポジション整理の動きが優勢になっている。

米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫(9月11日時点)は前週比-210.4万バレルの4億5,589.4万バレルとなった。製油所向け原油需要の低迷が続くも、米国内産油量が落ち込む中、在庫の取り崩しが促されている。マーケットでは、クッシング地区の在庫は取り崩しが進んでも全米規模では在庫積み増しが進むとの見方が優勢だったため、ポジティブサプライズと評価されている。明日のFOMCで利上げ見送りに伴う資産価格上昇への警戒感もあり、本日は商品市況全体で安値是正の動きが強くなったことも短期筋のショートカバー(買い戻し)を誘っている。

ベネズエラは、改めて石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で原油安への対応を協議することを訴えているが、会合の開催そのものの実現可能性が疑問視される中、マーケットでは殆ど材料視されていない。

引き続きシェールオイルの生産環境悪化が確認されていることはポジティブであり、これを手掛かりにOPECの低価格誘導によるシェールオイル生産鈍化という戦略は成功し、原油安の必要性は解消されたとの評価も成り立つ。ただ、なお国際需給バランスの供給過剰状態を解消するハードルが高いことを考慮すると、戻り売り基調そのものがピークアウトしたのかは慎重な判断が求められよう。イランの市場復帰を前提にしなくても、なお世界のいずれかの産油国が大規模な減産対応を求められる状況に変化はなく、少なくとも原油価格の大きな上昇は支持できない。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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