Yahoo!ニュース

NY原油31日:イラン核交渉に対する警戒感が強く、続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油5月限 前日比1.08ドル安

始値 48.73ドル

高値 48.73ドル

安値 47.28ドル

終値 47.60ドル

イラン核協議の進展に対する警戒感が強く、続落した。

イラン核協議は継続しており、近くイラン産原油の供給が拡大することが強く警戒されている。31日の期限での合意は成立せず、4月1日も継続協議が行われる予定になっている。具体的に合意形成まで何が問題になっているのかなどは明らかにされていないが、6カ国側は4月1日中の合意を促す一方で最終通告でもないとして、今後の協議継続に含みを持たせている。少なくとも、本格的な対立は確認されておらず、イランは同国の原油取引に対する規制が解除されれば、日量50万バレル程度の増産が直ちに可能との見方を示している。イランに対する経済制裁解除の時期が近づいていることは間違いなく、この交渉の結果が判明するまでは、原油相場の反発力は限定されよう。

為替市場でドル高傾向が続いているのもネガティブ。米原油在庫の増加傾向が続いていることに対する警戒感も強く、特に大きく反発する必要性は見出せない。このままイエメン情勢などに大きな変化が見られないのであれば、原油相場が売られ易い地合に変化はみられない。なお過剰供給体制が維持されており、米国内で在庫保管能力の限界を試すリスクも否定できない。為替市場では改めてドル高圧力が強くなっており、上値の重さが再確認されるステージを迎えている。

画像
マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

小菅努の最近の記事