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【世界最高峰2輪レースの転倒実態】MotoGP2014を「転倒」で振り返るフォールズレポート発表!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
画像出典元:The Official MotoGP Website

MotoGP.comより毎年恒例の「フォールズレポート(転倒報告書)」が発表された。2014年シーズンの転倒数は昨年の863回を大きく上回る過去最多の981回で、1戦平均54.5回を記録。クラス別では最高峰クラスのMotoGPが206回(1戦平均11.4回)、Moto2で408回(1戦平均22.6回)、Moto3で367回(1戦平均20.3回)を数えた。

傾向としてはここ数年、ロードレース世界選手権での転倒数は増加の一途を辿っているようだ。特に増加が著しいのが最高峰クラスで、2006年の98回と比べると倍増している点が興味深い。

ライダー別の転倒数では、Moto2のロースの25回を最多として、以下、中量級、軽量級の選手が続き、最高峰クラスではブラドリー・スミスが最多となる16回を記録。一方、開幕からの連続ポールポジション記録が途切れた第7戦カタルーニャGPの公式予選2でシーズン初転倒を喫した王者マルク・マルケスは、昨年の15回から11回に減少。全クラスを通じた最少転倒は、ロレンソとテロールの2回だった。このレポートの過去データを見てみると、やはり転倒数が多いライダーはその年に好成績を収められない傾向にあるようだ。

また、サーキット別では第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの開催地、ミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリが、2007年イギリスGP開催地のドニントンパークで記録した過去最多の109回に並んだ。コーナー別では、昨年最多の28回を記録したバルセロナ‐カタルーニャ・サーキットの10コーナーが2年連続して最多となる22回を記録している。ちなみに10コーナーの「ラ・カイシャ」はバックストレートの後に続く左のヘアピンコーナーである。

それぞれが限界ギリギリの走りで鎬を削るレースでは、ライディングの天才たちを持ってしても転倒が日常茶飯事ということだろう。データからも厳しいプロスポーツの世界を垣間見ることができる。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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