ミケルソンがノーマンの新ツアー全8試合に出場する契約?前払い金38億円?欧米メディアの見立ては?
グレッグ・ノーマン率いる新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」に関する情報とゴルフ界のレジェンド、フィル・ミケルソンに関する情報が日々交錯し、米欧ゴルフ界は揺れ続けている。
26日(米国時間)には、PGAツアー・メンバーの20名前後が「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦となるロンドン大会(6月9日~11日)にエントリーしたというニュースが飛び込んだばかり。英国紙テレグラフによると、その20名にはミケルソンやセルジオ・ガルシアらが含まれている。
そして27日に、再びテレグラフ紙が発信した驚きの続報は、ミケルソンが「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦のみならず、年間8試合すべてに出場する契約書にサインし、前払い金3000万ドル(約38億5000万円)をすでに受け取っているという内容だった。
同紙によれば、この契約によってミケルソンは8試合すべてに出場することが義務づけられ、出場できないケースが生じた場合は、ミケルソンは前払い金を払い戻し、さらにペナルティとして違約金の支払いも求められることになるという。
ミケルソンは25日に代理人を通じて声明を出し、5月の全米プロ、6月の全米オープン、そして「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」初戦の合計3試合にエントリーしたことを発表したばかりだ。
昨年の全米プロをメジャー大会史上最年長の50歳で制覇したミケルソンにとって、今年の全米プロは連覇に挑む大会となる。しかしながら、全米プロを主催するPGAオブ・アメリカは、ディフェンディング・チャンピオンという重要な立場にあるミケルソンが、同大会へのエントリーと「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」初戦へのエントリーを同一の声明の中で横並びにして発表したことに「不快感を示している」という情報もある。
とはいえ、前年覇者として出場資格を有するミケルソンのエントリーをPGAオブ・アメリカが不快感を理由にして却下することは、もちろんできない。
だが、複数の米メディアは、ミケルソンが全米プロや全米オープンを軽視していると受け取られかねない形で声明を出したのは、「すでに全米プロでのタイトル・ディフェンドを放棄し、ノーマンの新ツアーへ全面的に移籍する意思を固めているからではないか」と見ている。
一方、PGAツアーのジェイ・モナハン会長は、以前から「あっち(ノーマン側)のツアーに出たら即出場停止。メンバーシップ剥奪もありうる」と声を荒げてきたが、20名前後の選手が出場許可を申請している「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」初戦に対しては、開催地が米国ではなく英国ロンドンということで「出場を許可する可能性が高まっている」と米欧両メディアは口を揃えている。
しかし、米国内で開催される8試合のうちの5試合に対しては、PGAツアーは「決して選手たちの出場を許可しない」と見られており、ミケルソンが全8試合に出場する契約を交わしたことが真実であれば、もはやミケルソンとPGAツアーの溝は埋まらないのではないか。メジャー大会主催者であるPGAオブ・アメリカやUSGAなどとの間にも壁ができてしまったのではないか。
いよいよ、そんな悲しい局面を迎えつつあり、各方面からの決定と発表が待たれる。