『１８／４０～ふたりなら夢も恋も～』で福原遥が演じる18歳で妊娠した大学生の親友役の出口夏希。抜群の美形で「non-no」モデルとして活躍する一方、昨年から主演を含むドラマ、映画出演が相次ぎ、爽健美茶のCMでも注目されている。今回は明るいキャラクターで彩りを添えているが、本人の素に近い部分もあるとか。さらなる飛躍は間違いなさそうだ。

普段通りに演じるのは難しいなと

――『１８／４０』の世奈役では髪型がいつもと違って、イマドキっぽいですね。

出口　そうなんです。すごいクルックルで(笑)、陽キャぶりが伝わる感じです。親友3人の中で一番明るくて、元気な女の子です。

――その陽キャは自分に馴染みますか？

出口　自分と似ているところを考えたら、私もこういうテンションかもしれないと思いました。いつも結構ワチャワチャしているので。

――では、普段通りにやればいいと。

出口　そう思ったんですけど、お芝居でやると、こんなに難しいのかとわかりました。普段からあんな感じなのに、役で意識的にやろうとすると、なかなかうまくいかなくて。

――世奈は話し方も「結局、子ども扱いじゃんね」とかラフな感じですが、そこは普段の出口さんの話し方と変えています？

出口　「～じゃんね」は普段も言います(笑)。しゃべり方も私が友だちと一緒にいるときと、わりと似ているなと思います。

――撮るときに、ことさらテンションを上げる必要はないわけですか？

出口　でも、「テンションを上げなきゃ、声を張らなきゃ」とは思っています。

友だちとは無言でも騒いでも居心地がいいです

――出口さんも親友といると、劇中の3人組みたいなノリだと？

出口　小・中学生の頃からの長い友だちがいて、そのときの気分次第ですね。疲れていたら、静かにしていても平気な友だちなので。だから、無言でいるときもあれば、キャーキャーしているときもあって、居心地がいいです。

――1話の卒業式の後のように、カラオケに行って騒ぐこともあります？

出口　たまに行って、ワーワーやってます(笑)。地元の友だちとは、松田聖子さんとか80年代の曲をよく歌うんです。地元以外では「何で知ってるの？」と言われます。

――何で知ってるんですか(笑)？

出口　地元では友だちのお母さんやお父さんとも仲良くて、みんなでカラオケに行ったりするんです。お母さんたちが『赤いスイートピー』とかを歌っていて、私たちも覚えました(笑)。

――そういう友だちとは、悩みを話したりもするんですか？

出口　私も話しますし、話してくれたりもします。明るい話から深刻な話までしています。

――劇中の有栖（福原遥）のように妊娠して産むという友だちがいたら、どうしますか？

出口　私にも本当に大切な友だちがいるので、台本を読んだときは「どんな気持ちになるだろう？」と自分に置き換えたりもしました。私は応援しちゃう気がするなぁ。周りの人のことより友だちの気持ちだけを考えて、自分ができることをしてあげると思います。

合間には食べ物の話しかしてません(笑)

――現場では、親友役の福原遥さん、長澤樹さんとはすぐ馴染んだんですか？

出口　そうですね。最初から福原さんがたくさん話し掛けてくださって、私たちが打ち解けやすい空気を作ってくれました。福原さんとは一度共演させていただいたこともあったので、いつも3人でたくさん話して、止まらないくらいです(笑)。

――どんな話をしているんですか？

出口　ほとんど食べ物の話しかしていません(笑)。最近、何にハマっているとか。あと、3人の女子会のシーンがあるとスイーツが出てくるんですけど、私たちは結局食べられないことが多いので、「お腹すいたね」とずっと言ってます(笑)。

――今日は撮影の休憩中の取材で、モニターで女子会シーンを拝見してましたけど、出口さんは待ち時間も消え物のアイスクリームを食べていませんでした(笑)？

出口　本番では食べなかったんですけど、その前にカップの半分くらいまで食べちゃいました(笑)。

ズカズカ家に行くのが陽キャらしくて

――これまでの撮影で、特に印象的なことはありますか？

出口　1話の最初のシーンが卒業式で「懐かしいな」と思いました。高校は卒業証書をもらうだけで、中学のときはもう6年前ですからね。あと、3話では有栖と瞳子さん（深田恭子）が住んでいる部屋で、ちょっと気まずい雰囲気になりました。

――瞳子の外出中に留依（長澤樹）と押し掛けて、戻ってきた瞳子にたしなめられたシーンですね。

出口　普通にズカズカ家に入っちゃって、世奈はやっぱり陽キャだなと(笑)。怒られたのは有栖で、私たちは「もう遅いから帰りなさい」と笑顔で言われて、「すいませんでした」と引き上げました。

――深田恭子さんとは初共演でしたっけ？

出口　はい。すごくやさしいです。3人で話していると、深田さんのほうから「入れて入れて」と来てくださったり、両手いっぱいにお菓子の袋を抱えて、私たちのところに出していただいたり。

親の反対を押し切るのは現実では難しいのかなと

――番組HPによると、世奈は有栖の元カレの康介（八木勇征）を気にしていると。

出口　世奈も何か抱えていて、これから問題が出てくるかもしれません。でも、まだわかりません(笑)。

――有栖の妊娠を知ったあと、康介がカナダに留学したのは、どう思いました？

出口　あのタイミングだったので、「ハーッ⁉」となりました。現場で八木さんにも「最低！」と言っちゃいました(笑)。以前も共演させていただいたことがあって、話しやすかったんです。コウ先輩はお母さんが間に入っているので、大変ですよね。マザコンと言われるかもしれないけど、逆らえなさそうだし……。

――女性の立場としては、どうしてほしかったと？

出口　ドラマの世界では、親の反対を押し切るパターンがよくありますよね。だけど、現実はそうもいかないのかな、と思います。

是枝監督に教わったことをすごく覚えています

――出口さんはモデルからスタートして、去年くらいから主演やヒロインも含めて女優の仕事が増えています。自分でも意欲が高まったんですか？

出口　徐々にではありましたけど、ちょうど『ガリレオ』シリーズの『沈黙のパレード』と（W主演の）『舞妓さんちのまかないさん』の撮影が続いたとき、お芝居をしていて楽しかったんです。ただそれだけなんですけど(笑)、これからもやっていけたらと思いました。

――それまでの作品にない楽しさがあったわけですか？

出口　何が楽しかったのかと言われたら、特にこれといった出来事は正直ありません。ただ、監督とたくさんお話したのは初めての感覚でした。『沈黙のパレード』の西谷（弘）監督は怖そうに見えましたけど(笑)、実際はすごくやさしくて、私も心を開いちゃいました。『舞妓さん～』の是枝（裕和）監督も、撮影に入る前からお話しするお時間をいただいたり、現場でも今までにない空気感があって、楽しいと思えました。

――監督に言われて、刺さった言葉もありました？

出口　たくさんあって、是枝監督に「お芝居は目からと耳から。目線の動きと間（ま）が大事」と教わったのは、すごく覚えています。撮影期間中、ずっと意識していました。

――今回の『１８／４０』でも、その教えは活かしていますか？

出口　『舞妓さん～』のときはゆっくりした子の役だったので、意識しながら演じられましたけど、世奈はまずテンションを上げることで頭がいっぱいになっています。

毎回くじけながら達成感はあります

――演技に悩むこともないですか？

出口　毎回「もうやりたくない」と思うくらい悩みます。本当に全作品、めちゃめちゃ落ち込んで、結構くじけています(笑)。

――先ほどの「楽しかった」という2作でも？

出口　『舞妓さん～』のときは「逃げたい」と思った時期もありました。舞もあって、できないし、怒られるし。でも、「もうやるしかない！ 今日は怒られても負けない！」という気持ちで臨んだら、その日は怒られなかったんです。足りなかったものに気づいて、向き合い方が変わりました。

――なるほど。

出口　『沈黙のパレード』では姉が亡くなった役で、いろいろな人間を演じるのはこのお仕事をしているからこそだなと、改めて感じました。公開されたとき、それまでは自分のお芝居を観るのがどこか恥ずかしかったのが、客観的に観られていました。

――他の作品では、くじけたらどう立ち直るんですか？

出口　「どうしたらいいんだろう？」と思いながら、台本を何度も読んで監督に相談することしか、今はできないですね。

――それでもトータルでは「楽しい」と。

出口　達成感はあるのかな。完成した作品を観ると嬉しいです。『１８／４０』の1話も、お母さんたちがテレビの前に5分前から待機していて、それを見ると、やり甲斐を感じました。一緒に観るのは、ちょっと恥ずかしいですけど(笑)。

痺れてむくむくらい辛いものが好きです

――日ごろから、演技力向上のためにしていることはありますか？

出口　面白そうな映画やドラマを観ています。マネージャーさんに誘われて行くこともあって、勉強会ですね。もともと作品をたくさん観てなかったので、観なければと思っています。

――刺激になった作品はありました？

出口　是枝さんの『怪物』は、言葉にするのは難しいけど、何だか「すごい」と感じました。監督の他の作品も、もう一度観たくなって。最近だと、試写会で観た『クレヨンしんちゃん』の映画が面白かったです。しんちゃん、大好きなので(笑)。

――あと、出口さんは辛いものが好きなんでしたっけ？

出口　小さい頃から、中華料理とか辛いものが大好きです。

――激辛料理店の一番辛いのもいけたとか。

出口　そうですね。今は火鍋とか痺れる系の辛さが好きです。次の日に撮影がなくて、むくんでもいい日に食べにいきます。

――むくむくらい辛くても食べたいと(笑)。

出口　めっちゃむくみますけど、おいしいんです(笑)。

みんなが爽健美茶を持った写真を送ってくれて

――爽健美茶のCMも好評です。自分でもよく目にしますか？

出口　私はあまり家でテレビをつけてることがないんですけど、この前、京都に旅行に行ったとき、ホテルでテレビから流れてきて、ハーッとなりました。自分ではずっと観てなかったので。

――反響は大きいのでは？

出口　そうですね。SNSでたくさんつぶやいてくれたり、友だちから連絡が来たりします。みんな爽健美茶を持った写真を送ってくれるんです。最近、就活をしている子が送ってくれた写真では、1リットルのペットボトルを持っていました。みんなが飲んでくれて嬉しいです。

休みの前に大食いしてはサウナに行く繰り返しです

――出口さんは名前に夏が付いていて、好きな季節ですか？

出口　私は秋が好きです(笑)。夏服はすごく好きですけど、最近は暑すぎて……。でも、私が外に出ると曇りの日が多くて、ちょっと助かっています。

――そんな夏のお楽しみはありませんか？

出口　夏にしかできないことはいっぱいありますよね。花火とか。夏の旅行も楽しくて、毎年行ってましたけど、今年は夏ドラマが入るので5月に行ってきました。でも、夏って短くないですか？　プライベートでやりたいことはたくさんあるのに、時間が足りなくて。もっといっぱい遊びたいです。

――日常の中では、夏の小さな幸せはないですか？

出口　休みの日の前の夜は、たくさん食べて、すぐ寝ても、むくみを気にしなくていいので。夜食にラーメンや好きなものをいろいろ並べて、食べるのが幸せです(笑)。ストレス発散になっています。

――休日前とはいえ、モデルさんなのに大丈夫ですか？

出口　次の日にサウナに行って、むくみを取ってます。その繰り返しです(笑)。

Profile

出口夏希（でぐち・なつき）

2001年10月4日生まれ、中国出身。

「ミスセブンティーン2018」に選ばれて「Seventeen」モデルになり、2022年より「non-no」専属モデルに。2019年にドラマ『ココア』で女優デビュー。主な出演作はドラマ『ばかやろうのキス』、『クレッシェンドで進め』、『舞妓さんちのまかないさん』、映画『沈黙のパレード』など。ドラマ『１８／４０～ふたりなら夢も恋も～』（TBS系）に出演中。9月22日スタートのドラマ『アオハライド Season1』（WOWOW）に主演。12月8日公開の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に出演。爽健美茶CM「私を、前へ。」篇に出演中。写真集『liberte』が発売中。

火曜ドラマ『１８／４０～ふたりなら夢も恋も～』

TBS系／火曜22:00～

公式HP