年越し寒波も強烈か JPCZに伴う短時間強雪に警戒を
近畿北部などで記録的大雪
師走としては最強クラスの年末寒波が襲来し、上図のように近畿北部、山陰、青森県などを中心に記録的な大雪となりました。
特に日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)に伴う活発な雪雲のかかった鳥取県智頭では、おととい26日(日)午後10時までの6時間に43センチの顕著な降雪となり、滋賀県彦根では、きのう27日(月)午前6時に12月の観測史上1位となる最深積雪73センチを記録するなど、交通障害の発生した所もありました。
また東京都心でも、26日(日)未明に初雪を観測し、最低気温はおととい26日(日)-0.2度、きのう27日(月)-2.2度、きょう28日(火)-1.6度と、3日連続で氷点下となりましたが、師走に3日連続で氷点下を記録したのは、1976年以来45年ぶりとなります。(東京都心の気温観測は2014年に大手町から北の丸公園に変わり、低温が出やすくなっています。)
先週末から流れ込んだ年末寒波はようやく峠を越えましたが、今度は年越し寒波がやってくる予想で、これも強烈です。では詳細をみてみましょう。
年越し寒波も強烈(上空1500メートル付近)
上図は下層と呼ばれる上空1500メートル付近の年末寒波の実況解析と大晦日の予想を表したもので、まず今回の年末寒波の特徴は、西日本にまで-12度以下の寒気が大きく南下したことです。これは平年と比べて10度前後も低く、平年ならば北海道付近にある強烈な寒気です。
高層観測が行われている地点の今回の観測値をみると、
福岡は26日(日)午前9時-13.4度で、12月の観測史上4位でした。
鹿児島は26日(日)午後9時-9.8度で、12月の観測史上3位でした。
松江は26日(日)午後9時-11.0度で、12月の観測史上3位でした。
輪島は26日(日)午前9時-13.7度で、12月観測史上4位でした。
館野は26日(日)午後9時-9.9度で、12月観測史上2位でした。
秋田は26日(日)午前9時-17.0度で、12月観測史上3位でした。
以上のように、今回の年末寒波は、紛れもなく師走としては最強クラスの寒波襲来だったことがわかります。
そして今度の年越し寒波で、大晦日に予想されている寒気をみると、西日本は大晦日の午前中、東日本や北日本は大晦日の夜から元旦にかけてピークを迎える予想で、今回の寒波と比べて、西日本への南下の度合いはやや弱いものの、東日本や北日本へは同レベルの強烈寒気の南下が予想されています。
年越し寒波も強烈(上空5500メートル付近)
一方、上層と呼ばれる上空5500メートル付近の寒気はどうでしょうか。
こちらの方は、今回、北日本を中心に流れ込みました。高層観測が行われている地点の観測値をみると、
札幌は26日(日)午後9時-46.1度で、12月の観測史上1位でした。
秋田は26日(日)午後9時-45.4度で、12月の観測史上1位でした。
以上のように、北日本は12月1位の値を更新するような強さでしたから、北日本の上層に限っては師走最強レベルを通り越して、年間を通しても数年に一度レベルの強烈寒波だったと言えるかもしれません。
そして今度の年越し寒波で、大晦日に予想される寒気をみると、やはり-45度以下の強烈な寒気が北海道付近に流れ込む予想です。
このように大晦日から元旦にかけて予想される寒波は、今回の年末寒波に匹敵するようなレベルで列島を通過する予想です。ただピークとなるのは1日程度となりそうで、今回の年末寒波と比べて、寒波襲来のピーク時間は半分程度となりそうです。
大晦日は再びJPCZに伴う短時間強雪に警戒を
今回の年末寒波で山陰や近畿北部で、特に短時間の大雪となったのは、JPCZと呼ばれる日本海寒帯気団収束帯に伴う活発な雪雲がかかった影響です。
ここでは詳しいメカニズムまでには触れませんが、大晦日もこのJPCZが発生し、北陸や近畿北部、山陰で短時間に降雪が強まるおそれがあります。
上述した通り、年越し寒波は1日程度がピークで、長時間の大雪という感じではなさそうなのですが、それでもこの1日の内に再び50センチから100センチ以上の大雪となる所が出てくるかもしれません。
今後発表されるであろう、気象庁からの情報に、十分ご注意下さい。
15時10分追記
気象庁から年越し寒波に関する強い冬型の気圧配置に関する情報が発表されました。