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2階級制覇を目指す元WBOミニマム級王者が東洋太平洋タイトルに挑戦

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 12月15日に大阪・住吉スポーツセンターでOPBF東洋太平洋ライトフライ級王者、タノンサック・シムシーに挑戦する谷口将隆。世界タイトル2階級制覇を目指す谷口にとって、久しぶりの大一番である。

 2023年1月6日にWBOミニマム級王座を失ってから7カ月後、ライトフライ級での復帰戦で顎を2カ所骨折。勝利したものの、9カ月間リングを離れた。

撮影:筆者
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 「動けるようになってからは新たな自分を作るため、徹底的に土台作りをしました。まずは下半身を強化し、攻守の連動、一つのパンチを打つにもナックルにきちんと体重を乗せていくといった基礎を固めましたね。しんどい作業でしたが、このところ、それが確実に生きています。

 最近は、それに上積みをしている段階です。ディフェンスの意識を高くしています。兎に角、もらわないこと。どう相手のパンチを躱すかを細かく考えていますね。ポジションを変えたり、距離を保ったりと。思考が深くなった実感がありますよ」

撮影:筆者
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 36勝(33KO)1敗のタイ人王者についても語った。

 「KO率が高いのでパンチがあるとは思っていましたが、映像を見る限り技巧派ですね。タイ人には珍しいアウトボクサーという印象です」

その東洋チャンプを超えるには? と問い掛けると、「僕は今がキャリア最強ですから」と笑みを浮かべながら応じた。

撮影:筆者
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 「今まで、例えば相手のパンチをブロックして終わりだった局面でも、打ってすぐに返すということが出来るようになってきました。<攻守一体>を常に頭に入れています。そして、よりスピードとタイミングの精度を上げることを課題としながら練習を重ねてきました。

撮影:筆者
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 力の入れ方も、以前は『6割の力で連打』でしたが、コンビネーションを放つ際、8割のパンチも入れるようにしています。とにかく基本の繰り返し、基礎の大事さを追求しながらやってきました。自分の成長を感じる日々ですよ。今、ボクシングが楽しくて仕方ないです」

撮影:筆者
撮影:筆者

 発言通り、谷口は溌剌としていた。やることをやった、という思いもあるだろう。故郷である神戸に近い会場で、進化を見せたいところだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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