平均より7歳上!有吉弘行さん夏目三久さん「MC婚」で見る令和の“晩婚化”の変遷
4月2日夜、有吉弘行さんと夏目三久さんが電撃結婚された報道がありました。お二人はともに番組の顔であるMCを務める一流芸能人で、過去には深夜バラエティーでレギュラー番組の共演があったこと、「柄にも無いことで少々恥ずかしいのですが」という直筆FAX、周囲の祝福の声も相まって大きな話題となっています。5年前にも交際報道があったものの当人は完全否定だったそうですが、いずれにしてもお世話になった方への報告を済ませ、担当番組やテレビ局と都合を合わせ、すべての準備が整ったのが今だったのでしょう。
私自身も有吉さんとは過去に共演しており、日本テレビ系列『有吉ゼミ』には3回ほど出演させていただきました(しかもテーマは「結婚できないトップスター」等!)。有吉さんは、毎回収録の最後に出演者全員に「ありがとうございました」と深々とご挨拶をされるのが印象的でした。入れ替わりの激しい芸能界で“返り咲いた”だけあり、仁義のある方なのだろうと感じました。
実際どのように結婚に至ったかは今後ご本人から語られるのを待つしかありませんが、今回は婚活ジャーナリストとして、お二人の年齢に焦点を当てていきます。
まずお二人とも長く活躍されてきたこともあり、現在有吉さんが46歳、夏目さんが36歳です。厚生労働省発表の現在(最新データー2018年)の平均婚姻年齢は男性31歳、女性29歳なので、有吉さんは15歳上、夏目さんは7歳上ということになります。
ちなみに平均婚姻年齢は1985年の調査では、男性28歳、女性26歳でしたから、33年で3~4歳上昇。第一子出産年齢も見てみると、1985年では26歳、2018年では30歳で、ほぼ結婚年齢と比例して上昇。この晩婚化の傾向は今後も続いていくだろうと予想されています。
私は結婚相談所で代表を務めていますが、婚活現場でも晩婚化・高齢化しています。ただ年齢が上がっているだけでなく結婚に求めるモノも多様化していることが挙げられます。
婚活ブームが始まった10年ほど前は、男性は45歳まで、女性は35歳までが婚活の上限で、それ以上になると結婚できないと言われていました。その基準は「出産」。つまり、子供を産み育てることを目的とした結婚・婚活が主流でした。
女性35歳の基準は、かつては注意喚起のために、高齢初産の母子手帳には「高」という字のハンコが押されていたのが影響しています。もともとは出産年齢30歳以上で、1993年に35歳以上に改定され、現在は廃止されています。出産年齢がだんだんと上がっていき、かつての30歳という高齢出産が平均まで押し上げられたのです。
一方で男性は45歳上限と言われたのは、女性35歳の場合10歳以上年上になるとマッチングが難しいことと、国勢調査で「50歳で未婚」だと生涯独身者として数えられることから、アラフィフで結婚は無理というのがかつての定説でした。しかし、20代~30代前半の時期にがむしゃらに働き、転職したり資格を取ったりして、一仕事終わったところで結婚するのが今どきのスタイル。婚活では珍しくないパターンです。
これは男女ともに20代で結婚して早々に子供を産み育てるのが当たり前、という考えがなくなり進学して就職し、仕事に打ち込んで自分の人生を生き、それぞれの生き様を認め合って結婚するというスタイルができてきたということ。自分軸でどんな結婚生活を送りたいか、を考えてから結婚できるという意味では良い傾向ではないでしょうか?
ただ、40代で子育てすることになると、教育費がかかる時期と老後資金をためる時期が重なりますから、一般サラリーマンが結婚してから貯蓄を……という考えだと資金繰りが厳しくなりかねません。そうなると外では仕事を頑張り、部屋では一人。独身貴族を満喫するのではなく貯金もしっかりと行わなくてはいけないのですから大変です。有吉さんのような第一線で活躍する40代であれば問題ありませんが、一般サラリーマンが「何歳になっても結婚できる時代だ」と油断するのは注意されたほうがよいでしょう。
有吉さん夏目さんカップルに話を戻すと、それぞれご自身が「顔」となる番組を持っていらっしゃる「MC婚」で、まさに男女ともに「地位を確立されてから」の結婚。
浮き沈みある人気稼業で天と地を知っているからこそ、プライベートでも浮つくこともなく、自分にも相手にも厳しいであろうお二人。「若さ」だけじゃない「生き様」を見て共感し、相手の生き方や働き方を尊重したい相手と結婚を決意されるのは喜ばしいこと。そんなオトナな二人を祝福したいと思います。