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ジャッジが11試合ぶりにホームランを打つ。大谷とは12本差、残りは15試合。追いつくのは不可能!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 14, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月14日のダブルヘッダー2試合目、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、2死満塁の場面でホームランを打った。

 11試合ぶりのホームランだ。9月1日と2日に2試合続けて1本ずつ打った後、3日から14日のダブルヘッダー1試合目まで、10試合続けてホームランが途絶えていた。この10試合は、44打席で34打数5安打(打率.147)、長打は二塁打1本だけ。直近の4試合は、15打数0安打、7三振だった。

 現時点のア・リーグ本塁打トップ5には、44本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、35本のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)、34本のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)、32本のジャッジ、31本のコリー・シーガー(レンジャーズ)とラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)が並んでいる。

 トップ3のメンバーと本数は、9月3日が終わった時点から、まったく変わっていない。大谷は、その翌日から10試合続けて欠場している。ロバートJr.は、今月のホームランがない。ガルシアは、9月2日と3日に2試合連続ホームランながら、8日に故障者リストへ入った。

 シーガーとデバースは、ジャッジと同じく、9月14日にホームランを打った。

 チームの残り試合と大谷との差は、ロバートJr.が15試合と9本、ガルシアが16試合と10本、ジャッジが15試合と12本、シーガーは16試合と13本、デバースは15試合と13本だ。エンジェルスは、あと15試合を残している。

 今シーズン、ロバートJr.が出場15試合のスパンに打ったホームランは、8本が最も多い。ガルシアの出場16試合は7本、ジャッジの出場15試合は11本、シーガーの出場16試合は9本、デバースの出場15試合は7本が最多だ。大谷のホームランが44本から増えず、ここから、彼らがすべての試合に出場し――ガルシアの復帰は来週になる――最多のホームランを打ったスパンを再現しても、大谷に追いつくことはできない。

 昨シーズン、ジャッジは15試合で12本のホームランを打ったスパンがあるので、不可能とまでは言えないものの、今シーズン、44本塁打に到達するのはまず無理、と見ていいのではないだろうか。

 なお、ヤンキースは、9月14日のダブルヘッダー1試合目に完封負けを喫したものの、2試合目はジャッジのグランドスラムなどで勝利を収め、貯金1の74勝73敗とした。地区最下位のままながら、対戦したレッドソックスと再び並んだ。

 ヤンキースのシーズン勝率.500以下は、1992年の勝率.469(76勝86敗)が最後だ。この年の春に、ジャッジは生まれた。地区最下位は、1990年まで遡る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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